肌が乾燥しやすい理由は?カサつきやすい時に工夫したい保湿ケア

「30代に入り、保湿ケアをしても肌の乾燥が気になる」「仕事終わりには口元や頬に粉っぽさが目立つ」といったお悩みを抱える方は少なくありません。人気の保湿クリームやワセリンを試しても十分なうるおいを実感できない場合、スキンケアの方法や生活習慣が影響している可能性があります。

本記事では、乾燥が気になる際の代表的な要因と、デイリーケアで取り入れやすい対策を整理しました。肌をすこやかに保つための基礎知識として、ご活用いただければ幸いです。

保湿しても乾燥が気になる4つの理由

乾燥を防ぐスキンケアを心がけていても、実際には肌の状態が整わないと感じる方は少なくありません。その背景には、スキンケア方法のほかにも、生活習慣や外部環境といった複数の要因が関わることが知られています。ここでは、保湿しても乾燥が気になる際に考えられる、主な理由を4つご紹介します。

化粧水だけのスキンケアをしている

乾燥が気になる方の中には、化粧水だけでお手入れを終えているケースが見られます。化粧水は肌に水分を与える役割を持ちますが、つけただけでは時間とともに蒸発してしまうため、うるおい感が持続しにくいのが実情です。

本来、スキンケアは水分を与えるステップと、油分で覆うステップを組み合わせることでバランスが取れるといわれています。化粧水で肌をみずみずしく整えたあと、乳液やクリームを重ねることで、油分の膜が水分の蒸散を防ぎ、肌のうるおいを守りやすくなるのです。

また、化粧水だけに頼るケアは季節や環境によって乾燥を感じやすくなることもあります。空気が乾燥しやすい冬や、冷暖房を長時間使用するオフィス環境では特に注意が必要です。日常の環境に合わせてスキンケアを調整することが、美容の基本といえるでしょう。

参考:maruho「季節や生活習慣によって乾燥する方」

関連記事:季節の変わり目に肌荒れしやすい原因は?正しいスキンケア方法を紹介

肌のバリア機能がゆらいでいる

乾燥を感じやすい背景には、肌を守る働き(バリア機能)がゆらいでいることも関係しています。バリア機能とは、紫外線やほこり、摩擦など外部からの刺激を防ぎつつ、内側にある水分を抱え込むサポートをしている仕組みのことです。

この働きが不安定になると、少しの乾燥や摩擦でも肌が敏感に反応しやすくなり、うるおいを感じにくくなることがあります。たとえば間違った洗顔やクレンジングの摩擦、強い紫外線、不規則な生活リズムや睡眠不足などが、肌の環境を乱す要因となりやすいとされています。

また、季節の変わり目や空調による乾燥もバリア機能に影響しやすく、美容の観点からも注意が必要です。どんなに高価なクリームやワセリンを重ねても、肌の土台が整っていなければ十分に心地よさを実感しにくいケースもあります。スキンケアだけでなく、生活習慣や環境を含めて整えることが、健やかな肌を目指すうえで大切なポイントといえるでしょう。

参考:maruho「皮膚のうるおいを保つ物質とバリア機能」

関連記事:肌のコンディションを整えるには?善玉菌を意識したスキンケアのコツ

1日に何度も洗顔をする

皮脂のベタつきが気になり、つい1日に何度も洗顔してしまう方もいるかもしれません。しかし過度な洗顔は、肌に必要なうるおいまで取り除いてしまい、かえって乾燥を感じやすくなる原因となります。

洗顔の役割は、あくまで肌表面の汚れや余分な皮脂を落として清潔に保つことです。ところが、回数が増えると皮脂のバランスが乱れやすくなり、乾燥やつっぱり感につながることがあります。基本的には朝と夜の2回で十分とされ、美容の観点からも適度な頻度を守ることが大切です。

また、洗顔時の温度や摩擦も肌への負担要因となります。熱いお湯は皮脂を必要以上に流してしまうため、ぬるま湯を意識すると安心です。さらに、ゴシゴシこすらず、泡でやさしく包み込むように洗うことがポイントです。こうした小さな工夫の積み重ねが、肌をすこやかに保つサポートにつながります。

参考:Joanna Mimi Choi 1, Vincent K Lew, Alexa B Kimball(2006)「A single-blinded, randomized, controlled clinical trial evaluating the effect of face washing on acne vulgaris」

生活習慣が乱れている

肌の乾燥を感じやすいとき、その背景には生活習慣の乱れが関わっていることもあります。特に食生活や睡眠は、肌のすこやかさを保つうえで欠かせない要素です。

偏った食事が続くと、肌を形づくるタンパク質や、うるおいをサポートするビタミン・ミネラルが不足しやすくなります。健やかな生活習慣を目指すには、野菜や果物、魚、豆類などをバランスよく取り入れることが基本です。また、一般的に糖質や脂質の摂り過ぎは皮脂バランスに影響する場合もあるとされており、全体のバランスを意識することが大切といえます。

さらに、睡眠不足も乾燥の一因となる場合があります。夜更かしが続くと肌のリズムが乱れ、古い角質が残りやすくなることで、化粧水やクリームをなじませにくく感じることもあります。美容の観点からは、日付が変わる前に眠りにつき、規則正しい睡眠を心がけることが望ましいでしょう。

どんなに丁寧なスキンケアをしていても、生活習慣が乱れていると乾燥が気になりやすくなることがあります。日々の習慣を見直すことも、美容における重要なケアのひとつといえるでしょう。

参考:日本化粧品工業会JCiA「美容と睡眠」

日本痤瘡研究会「ニキビQ&A」

関連記事:乾燥肌の人におすすめの食事は?うるおいを保つコツを紹介

肌の乾燥が気になるときの保湿ケア方法

「化粧水やクリームを塗っても乾燥が気になる」と感じるときは、スキンケアの取り入れ方を一度見直してみることが大切です。保湿アイテムの良し悪しだけでなく、その使い方や手順によって、肌に与える印象は変わることがあります。

ここでは、美容の基本ともいえる洗顔と保湿のステップを整理し、日々のケアで意識したいポイントをご紹介します。ちょっとした工夫を積み重ねることで、肌のうるおいを守りやすくなり、毎日のスキンケアがより快適な時間になるでしょう。

洗顔する時のポイント

洗顔は肌を清潔に整えるだけでなく、その後に行うスキンケアのなじみ方にも関わる大切なステップです。日々の習慣だからこそ、できるだけ負担をかけずに行うことが美容の基本といえるでしょう。

洗顔料を使うときは、泡立てネットなどで空気を含ませ、キメの細かい泡をつくるのがおすすめです。泡がクッションの役割を果たし、肌に直接摩擦を与えにくくなります。

できあがった泡は顔全体に広げ、やさしくなじませるイメージで洗います。強くこすったり押し付けたりせず、指の腹で軽く円を描くように扱うと安心です。

すすぐ際は、32度前後のぬるま湯が目安です。熱いお湯は必要な皮脂まで流してしまうことがあるため注意が必要です。シャワーを直接あてるのではなく、手のひらでお湯をすくい、顔にやさしくかけて流すと肌への負担を減らせます。

保湿する時のポイント

洗顔後の肌は水分が逃げやすく、乾燥を感じやすい状態になります。そのため、なるべく早く保湿を取り入れることが大切です。ここでは、日常のケアで意識したい基本の流れを整理します。

まずは、洗顔後すぐに化粧水をなじませましょう。適量を手のひらにとり、顔全体を包み込むようにやさしく押さえると、肌全体に広がりやすくなります。次に、乳液で柔らかさを意識します。乳液に含まれる油分が、与えた水分を逃げにくくするサポートをしてくれます。

仕上げには、クリームで覆うように重ねます。クリームは油分が多く、肌表面を保護する働きを担います。ワセリンも同様に保護の役割を果たすため、化粧水や乳液の後に重ねると安心です。

この際に、化粧水や乳液・クリームをそのまま冷たい状態でつけるよりも、体温になじませてから肌に広げると、テスクチャーが柔らかくなり伸びやすくなります。

このように、水分と油分を組み合わせて重ねることで、うるおいを守りやすい状態へと整えることができます。

化粧水はなんでもいいわけではない!選び方のコツ

「いろいろ試しても乾燥が気になる」と感じるときは、スキンケア方法だけでなく、使っている化粧水そのものを見直すことも大切です。化粧水はどれも同じではなく、配合成分や使い心地によって印象が変わることがあります。

乾燥しやすい肌をサポートするには、水分を抱え込む力を意識した成分が含まれているものを選ぶと安心です。ここでは、デイリースキンケアとして取り入れやすい化粧水の選び方を紹介します。

保湿成分が入っているものを選ぶ

乾燥が気になるときは、化粧水に含まれる保湿成分に注目してみましょう。成分の種類によって水分を抱え込む性質や肌へのなじみ方が異なるため、自分の肌の状態や季節に合わせて選ぶのがおすすめです。

たとえばセラミドは、角質層のうるおいを支える成分として知られており、肌のすこやかさを保つサポートをします。ヒアルロン酸は水分を保持する力に優れており、みずみずしい感触を与えやすい成分です。コラーゲンは保湿成分として配合されることが多く、肌をやわらかく整える働きが期待されます。

また、1種類だけでなく複数の保湿成分を組み合わせた化粧水も多く、テクスチャーや仕上がりの好みによって使い分けられるのも魅力です。とろみがあるタイプはしっとり感を、さらっとしたタイプは重ねづけしやすさを重視する方に向いています。

こうした特徴を知っておくことで、化粧水を選ぶ際に自分に合ったアイテムを見つけやすくなるでしょう。

低刺激なものを選ぶ

乾燥が気になる肌は、外部からの刺激を受けやすい状態になりやすいため、できるだけやさしい使い心地のアイテムを選ぶことが安心につながります。化粧水を選ぶ際は、アルコール(エタノール)や強い香料、着色料などが少ないものを意識すると良いでしょう。

また、成分表示に無添加や低刺激と書かれていても、その内容はメーカーによって基準が異なります。肌の刺激が気になる方は、敏感肌用と記載されたシリーズや、パッチテスト済みの商品などを選ぶと安心材料の一つになります。

その他の例では、花粉や乾燥が強い時期にはよりシンプルな処方のものを選ぶ方も多く、夏場はべたつきを避けたい人向けに軽い使用感のタイプが好まれる傾向があります。

大切なのは、刺激を避けるだけでなく、自分の肌の状態やライフスタイルに合った化粧水を選ぶことです。日々のコンディションに合わせて使い分ける意識が、美容の観点からも役立つポイントといえるでしょう。

まとめ

顔に化粧水やクリームを塗っても乾燥を感じるときは、スキンケアの方法や生活習慣など、複数の要因が重なっていることがあります。化粧水だけに頼るケアや過度な洗顔、乱れた生活リズムは、肌をうるおいにくい状態にしやすいため、日々の習慣を見直すことが大切です。

乾燥を感じた時は、洗顔で肌をやさしく整えたあと、化粧水・乳液・クリームといった水分と油分を組み合わせて重ねることや、保湿成分の種類や低刺激処方といった化粧水の特徴にも注目し、自分の肌の状態や環境に合わせて選ぶことが安心につながります。

乾燥を感じやすいときほど、外側のケアに加えて、食事・睡眠・環境づくりといった生活面を整えることも重要です。毎日の小さな積み重ねが、うるおいを守りやすい肌環境へとつながっていきます。今日からできることを取り入れて、自分らしく心地よいスキンケアを続けてみてはいかがでしょうか。

執筆者・監修者

代表取締役 島本 倖伸氏

株式会社CloudNine

代表取締役 島本 倖伸

真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントを発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となったサプリメントやスキンケアのオールインワンジェルなどの『Refeelasシリーズ』を展開。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。

共同研究者

教授 澤邊 昭義氏

近畿大学農学部応用生命化学科

教授 澤邊 昭義

1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授、准教授を経て、2025年近畿大学教授(農学部)。
専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。