栄養バランスのとれた食事のポイントは?美容におすすめの飲み物も紹介!

肌をすこやかに整えるためには、スキンケアだけでなく体の内側からのケアが大切です。栄養バランスのとれた食事は肌の土台づくりの基本であり、必要な栄養素が不足すると、さまざまな肌トラブルを招く原因になります。

本記事では、肌のコンディションを整えるために意識して摂り入れたい栄養素や、美容におすすめの食材・飲み物をご紹介します。食生活を見直し、すこやかな肌を目指したい方の参考になりましたら幸いです。

すこやかな肌づくりには体の内側からのケアが必要

「毎日スキンケアをしているのに、肌の調子がいまひとつ」とお悩みの方は少なくありません。これには、体の内側からのケアが関係している可能性があります。

肌は日々新しく生まれ変わっていますが、この働きを支えるには栄養バランスのとれた食事が欠かせません。ハリのある健やかな肌へ導くためには、スキンケアと食生活のどちらも意識することが必要です。

美容におすすめの栄養素はある?

「栄養バランスのとれた食事は大切だと分かるけど、具体的に何を摂れば良いか分からない」という方は多いものです。ここでは、美容におすすめの栄養素をご紹介します。

肌の土台づくりをサポートするたんぱく質

肌の主成分であるコラーゲンやエラスチンは、どちらもたんぱく質から作られています。不足するとターンオーバーが乱れ、肌荒れ・くすみ・乾燥などの原因となるため、意識して摂りたい栄養素です。特に必須アミノ酸を含む動物性たんぱく質は、肌の土台づくりをサポートするうえで効率がよいとされています。

ただし、動物性たんぱく質は脂質を多く含むため、摂り過ぎると腸内環境が乱れ、かえって肌荒れにつながることもあります。脂質が少なく、胃腸にやさしい植物性たんぱく質もバランスよく摂取することが大切です。

肌のコンディションを支えるビタミン

ビタミンは、肌の状態をすこやかに保つために欠かせない栄養素です。たとえば、ビタミンB群は肌のターンオーバーをサポートしたり、脂質代謝を助けたりする働きがあります。また、ビタミンCはコラーゲンの生成を助けるため、ハリのある肌を保つのに欠かせない成分です。

特に野菜や果物にはビタミンが豊富に含まれており、毎日の食事から意識して摂取することが大切です。色の濃い野菜や柑橘類、ベリー類などの食材をバランスよく摂り入れると、内側から肌のコンディションを支えることにつながります。

関連ページ:野菜不足は肌の調子を左右する?健やかな肌をサポートする食材を解説

肌のターンオーバーに関わるミネラル

亜鉛や鉄分などのミネラルも、すこやかな肌づくりに欠かせない栄養素です。

たとえば亜鉛は、肌や髪の毛などのターンオーバーを促す役割があり、不足すると肌の新陳代謝の乱れにつながります。また鉄分はコラーゲンの生成に不可欠であり、不足により肌のハリや弾力に影響が出る場合があります。いきいきとした肌を維持するためには、これらのミネラルは意識して摂取しましょう。

なお、ミネラルは過剰に摂取すると体調に影響を及ぼす可能性もあります。適量を守り、毎日の食事にバランスよく摂り入れることがポイントです。

腸内環境を整える食物繊維

本来ならスムーズに排出される便が腸内に長くとどまると、腸内でガスやアンモニアなどの有害物質が発生しやすくなります。それらは血液を通じて肌にも影響を及ぼし、ニキビをはじめとした肌トラブルの原因になることも。特に女性は、腰回りの筋力不足や女性ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなりやすく、便秘に悩む方が多いといわれています。

そこでおすすめなのが、食物繊維です。食物繊維には、水分を吸収して膨らみ便のかさを増やしたり、便を柔らかくして排泄しやすくしたりする働きがあります。

しかし、厚生労働省の調査によると1950年ごろには1日あたり20gを越えていた食物繊維の摂取量が、2020年には14g前後まで減少したと推定されています。現代の日本人は食物繊維が不足しがちなので、意識して摂取することが大切です。

体内で合成できない必須脂肪酸

必須脂肪酸は、主に植物油や青魚に含まれている栄養素です。肌のバリア機能(外部刺激から守り、内側の水分を保つ仕組み)を正常に保つ働きがありますが、ヒトの体内で生成することができません。

バリア機能が低下すると乾燥や刺激を受けやすくなり、肌トラブルを引き起こすことも。必須脂肪酸を意識的に摂取することは、うるおいとハリのある健やかな肌づくりに役立ちます。

食生活で不足した栄養素はサプリメントで補うのもおすすめ

忙しい日々のなかで、バランスとれた食事をとり続けるのは難しいものです。不足しがちな栄養素を補う手段として、サプリメントを活用するのもおすすめです。

ただし、サプリメントは補助食品であり、基本となるのは食事から必要な栄養を摂ることです。まずは食生活を見直し、不足している栄養素を把握したうえで、適量のサプリメントを摂り入れてみましょう。

関連ページ:肌悩みにおすすめのサプリメント成分は?有効な生活習慣や対策も紹介

【調理例付】美容におすすめの食べ物

続いては、ご紹介した栄養素が豊富に含まれた、美容におすすめの食べ物を調理例付きで解説します。スーパーやコンビニなどで気軽に手に入る食品ばかりですので、毎日の食事にぜひ摂り入れてみてください。

脂身の少ない肉や魚

肉や魚は、良質なタンパク質を含む食材です。しかし、脂身が多い牛肉や豚肉は、摂りすぎると胃腸に負担をかける可能性があります。

そこでおすすめなのが、鶏むね肉・ささみなどです。これらは鶏肉の中でも脂質が少なく、たんぱく質が豊富に含まれています。また、サバ・アジといった青魚には体内の炎症を抑えるオメガ3脂肪酸が含まれており、カサつきやニキビなどの肌トラブルが気になる方にぴったりです。

【調理例】サバの味噌煮:サバにタンパク質、ビタミンB群、Dが豊富に含まれているだけでなく、イソフラボンやビタミンEがたっぷり含まれた味噌も摂取できます。ただし、過剰に摂取するとカロリーオーバーになるため、1切れを目安に食べましょう。

温野菜やキノコ類

温野菜やキノコ類は、ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでいます。加熱することでカサが減るので生よりもたくさん食べられ、効率的な栄養摂取につながります。

【調理例】レンジ蒸し温野菜:ブロッコリーやカボチャなどを食べやすい大きさにカットし、少量の水とともに耐熱皿に入れてレンジで加熱します。調理の手間を避けたい方は、カット済みの野菜を利用しても良いでしょう。にんにく・生姜・ゆず果汁などで味にアクセントをつけると、塩分は控えめでありながら、おいしく召し上がれます。

海藻類

わかめ、ひじき、昆布、もずくなどの海藻類は、ミネラルや食物繊維を豊富に含んでいます。特に乾燥わかめは生わかめと比べるとミネラルは減りますが、保管しやすく、調理も簡単です。ただし、食べ過ぎると塩分やヨウ素の過剰摂取につながるため、1日5gを目安に摂取しましょう。

【調理例】わかめと豆腐の味噌汁:ミネラル、食物繊維、たんぱく質、ビタミンなど、たくさんの栄養素を摂取できるレシピです。また、豆腐に含まれるたんぱく質は、わかめに含まれるカルシウムの吸収をサポートしてくれます。

大豆製品

大豆製品は、肌のターンオーバーを促すビタミンB群が豊富に含まれています。さらに大豆イソフラボンはコラーゲンの生成をサポートする働きがあり、肌のハリと弾力不足が気になる方におすすめです。

【調理例】納豆+トッピング:納豆にはたんぱく質、食物繊維、鉄分、ビタミンKなど、さまざまな栄養素が含まれています。栄養バランスをさらに整えるなら、同じ発酵食品であるキムチや、ビタミンCやビタミンAが豊富なトマト、納豆のビタミンB1の吸収を助けるネギなどを一緒に食べると良いでしょう。

食べ物だけじゃない!美容におすすめの飲み物

食べ物だけでなく、どのような飲み物を選ぶかも、肌のコンディションを整えるのに重要なポイントです。ここでは、美容におすすめの飲み物をご紹介しましょう。

トマトジュース

トマトには、リコピン、ビタミンC・E、カリウム、食物繊維などがバランスよく含まれています。なかでもトマトの赤い色素であるリコピンは、メラニンの生成を抑制したり、肌の酸化を防いだりする働きがあります。

リコピンを効率よく摂取したい場合は、トマトジュースがおすすめです。生のトマトよりも加熱や加工を経た方が、リコピンの吸収率が高まることが知られています。ただし、製品によっては塩分や糖分が多く含まれているため、できるだけ無塩タイプを選ぶのが望ましいです。

豆乳

豆乳は、大豆に含まれる「イソフラボン」が豊富な食品です。イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをし、コラーゲンの生成をサポートする成分として知られています。

大豆特有の風味が苦手な方は、レモン果汁を加えるのがおすすめです。レモンの爽やかな風味が、独特の味わいをやわらげてくれます。なお、レモン果汁を一度に加えると豆乳が固まってしまう場合があるので、少しずつ混ぜながら味を調整するのがポイントです。

グリーンスムージー

グリーンスムージーは、緑黄色野菜とフルーツをミキサーにかけて作られています。食物繊維やビタミンCなど、美容にうれしい成分が豊富に含まれているのが特徴です。スーパーやコンビニでも販売されており、気軽に毎日の食事に摂り入れられます。

添加物が気になる場合は、自作するのもおすすめです。カットした野菜とフルーツを6:4の割合でミキサーにかければ、甘さと苦さのバランスが丁度よく、飲みやすい味に仕上がります。ほうれん草や小松菜など、くせの少ない葉野菜を選べば、初心者でもおいしく作れるでしょう。

美容におすすめの飲み物で注意するポイント

美容におすすめの飲み物は、摂取する際に意識するポイントがあります。ここでは、特に心がけておきたい点を4つに分けて解説します。

冷たいものを一気に飲まない

暑さが厳しい季節や喉が渇いたときは、つい冷たいものを飲みがちです。

しかし、冷たいものを一気に摂取すると体が冷えて血流が悪くなり、体に必要な栄養素が届きにくくなります。こうした状態が続くと、肌荒れやくすみなどのトラブルを引き起こす可能性もあります。

体の内側からすこやかな肌を保つためには、冷たい飲み物を控えて、常温の飲み物を意識的に摂りましょう。

こまめに飲むように意識する

水分は一度にたくさん摂っても、体内で効率よく吸収されず、多くが尿として排出されてしまいます。肌の細胞までしっかり水分を届けるためには、こまめな摂取を心がけてください。

たとえば、起床直後、食事前、入浴の前後、就寝前などタイミングを決めて、少しずつ水分補給を行うのがおすすめです。つい飲み忘れてしまう方は、習慣化するまで記録をつけておくのも良いでしょう。

水分の摂り過ぎは控える

水分補給は大切ですが、摂りすぎるとかえって体に負担をかけてしまうことがあります。健康的に水分を取り入れるためには、「適量を守る」ことが重要です。

目安量は1日に1.5〜2リットル程度ですが、これは体格や季節、運動量によっても変わります。汗をかいた日はやや多めに、活動が少ない日は控えめにするなど、ご自身の状況に合わせてバランスよく調整するのがコツです。

カフェイン入りの飲み物は過剰摂取を避ける

コーヒーや玉露などの飲み物には、カフェインが多く含まれています。カフェインには利尿作用があり、体内に吸収されるはずだった水分が排出されてしまう可能性があります。

また、カフェインは苦味を与える用途で食品添加物として登録されているため、清涼飲料水にも含まれているケースがあります。飲料を摂取する前には成分表示を確認する習慣をつけておくと、飲み過ぎを予防できるでしょう。

まとめ

肌を整えるためにはスキンケアだけでなく、栄養バランスを意識した食事が欠かせません。肌の土台となるたんぱく質、コンディションを整えるビタミンやミネラル、腸内環境をサポートする食物繊維、バリア機能に役立つ必須脂肪酸などをバランスよく摂り入れるのがポイントです。

また、トマトジュースや豆乳、グリーンスムージーといった飲み物を取り入れるのもおすすめです。食事と飲み物の両面から見直し、すこやかで自信をもてる肌を目指しましょう。

【参考】

  1. 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ビタミン
  2. 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 食物繊維の必要性と健康
  3. 公益社団法人 日本栄養士会 野菜のかしこい食べ方
  4. 農林水産省 栄養素のロスを少なくし、「無駄なく、野菜と果物を食べましょう」
  5. J-STAGE 豆乳の加工技術研究の現状
  6. 農林水産省 カフェインの過剰摂取について
  7. 厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
  8. 環境省 健康のため水を飲もう講座

執筆者・監修者

代表取締役 島本 倖伸氏

株式会社CloudNine

代表取締役 島本 倖伸

真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントを発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となったサプリメントやスキンケアのオールインワンジェルなどの『Refeelasシリーズ』を展開。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。

共同研究者

教授 澤邊 昭義氏

近畿大学農学部応用生命化学科

教授 澤邊 昭義

1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授、准教授を経て、2025年近畿大学教授(農学部)。
専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。