近年、美容や健康への意識が高い層を中心に注目されているのが「NMNサプリメント」です。特に年齢とともに体調の変化を感じ始めた方や、日々のパフォーマンス維持を重視する方から高い関心を寄せられています。
一方で、純度や含有量、安全性、飲みやすさ、価格などは商品ごとの差が大きく、どれを選べば良いか迷うことも少なくありません。
本記事では、NMNサプリメントの基礎知識を整理しつつ、選ぶ際に確認したいポイントや、無理なく続けるためのコツを解説します。ご自身に合った製品を見極めるためのヒントとしてご活用いただければ幸いです。
NMNとは?注目される理由

NMNは「ニコチンアミドモノヌクレオチド」の略称で、ビタミンB3から生成される物質です。ヒトをはじめとした多くの生物の体内に存在しているほか、ブロッコリーやアボカド、きゅうり、枝豆などの食品にも含まれています。
体内にNMNが取り込まれると、「NAD+」と呼ばれる補酵素に変換されます。NAD+は、ほぼすべての細胞に存在する重要な補酵素であり、細胞のエネルギー生産に欠かすことができない物質です。
しかし、NAD+は細胞膜透過性がないため栄養素として直接体に取り込むことができず、加齢とともに体内で生成される量が減少することも明らかになっています。そこで前駆体であるNMNを摂取することで、NAD+量の増加をサポートできると考えられています。
こうした背景から、NMNは健康管理を意識されている方の間で、多くの注目を集めることとなりました。
NMNに期待できることは?
健康的に生活するうえで睡眠は欠かせない要素ですが、単に睡眠時間を確保するだけでなく、その質を保つことが重要です。十分に休めていない状態では、日中のパフォーマンスや集中力が低下し、疲労感が抜けにくくなります。
また、疲れが抜けにくいと感じる背景には、エネルギー不足や細胞修復の遅れが関係している可能性があります。
このように、NMNは加齢とともに変化する心身のケアを意識する方にとって、生活習慣と併用しながら取り入れられるサポート手段といえるでしょう。
なぜサプリメントが必要?食事からの摂取が難しい理由
NMNは、日常の食事で取り入れることが可能です。しかし、身近な食材に含まれるNMNは微量であり、前述した1日の摂取目安量とされる150mg~300mgを毎日摂取することは困難です。
たとえば、NMNを含有する食材にブロッコリーがありますが、100gあたりの含有量は約0.25mg~1.12mgほどです。日常的に食べやすい食材ではあるものの、目安量を摂取しようとすると、約40kgものブロッコリーを摂取しなければなりません。
一方、サプリメントの場合は効率よくNMNを手軽に摂取できます。健康面などのサポートを期待してNMNを効率よく摂りたいのであれば、サプリメントを活用することがおすすめです。
NMNサプリメントの上手な選び方

NMNサプリメントは多くのメーカーから販売されており、特徴も一つひとつ異なります。自分に合った製品を見極めることで、満足度の高い選択につながるでしょう。ここからは、サプリメントを選ぶときに確認したい5つのポイントを紹介します。
機能性表示食品やGMP認証マークがあるか
サプリメントを選ぶ際は、安全性と信頼性の高い商品を見極めることが重要です。目安として、機能性表示食品の届出やGMP認証マークなど、公的機関や第三者機関による認定があるかどうかを確認しましょう。
機能性表示食品制度は、消費者庁が管理する制度です。届出が受理されると、「科学的根拠に基づき特定の保健の目的が期待できる旨」を表示できます。消費者庁による審査はありませんが、事業者には科学的根拠を示す義務が発生するため、食品としての信頼性の確保につながります。
GMPは「適正製造規範」の略であり、製造と品質の管理を求める制度です。健康食品などが原材料の受け入れから出荷まで、安全に一定の品質で製造されていることを示す、品質保証の目印です。このマークが付いた製品は、第三者機関による監査をクリアした工場で製造され、さらに製品状態も審査を受けていることが分かります。
NMN純度が99%以上で信頼性の高いものであるか
NMNサプリメントにおける純度とは、原料の中にどれだけNMNが含まれているかを示す割合です。たとえば、純度99%であれば、原料100gの中に99gのNMNが含まれていることを表します。
純度が高いものほど、体内に摂取した成分の多くがNAD+の原料として利用されやすくなります。一定以上の純度を安定して保つためには、精製技術や管理体制が必要となり、高品質なサプリメントかどうかを判断する基準にもなります。
純度については、公式サイトや商品パッケージで確認できます。より信頼性を高めるためには、第三者機関による検査・認定を受けているかどうかも合わせてチェックしましょう。
胃酸で壊れず腸まで届くか
メーカーやサプリメントの種類、目的によって異なりますが、NMNサプリメントには成分をしっかり届けるための工夫がされている製品があります。
どれだけ純度の高いNMNを含んでいても、胃酸で成分が分解されてしまうと効率よく摂取できない可能性があります。
そのため、カプセルの仕組みや構造を商品説明から確認し、どのように成分が体内に届く設計なのかを見極めることが大切です。
1日あたりのNMN含有量はどのくらいか
一般的に、NMNの1日あたりの推奨摂取量は150mg〜300mgとされています。サプリメントを選ぶ際は、1粒あたりにどのくらいのNMNが含まれているかを確認することが大切です。
NMNサプリメントのパッケージには、1日あたりの摂取目安量が記載されています。これをもとに、1粒あたりの含有量から実際に何mgのNMNを摂取できるかを判断できます。
ただし、含有量の高さと品質は必ずしも比例しません。食べ物や水などもそうですが、どんなものでも必要以上に摂りすぎると逆効果になる場合もありますので、高濃度だから良しとするのではなく、適正量を見極めて判断する必要があります。
続けやすい「飲みやすさ」と「価格」か
サプリメントは、短期間だけではなく、継続して摂取することが重要です。目的と成分によりますが、少なくても3か月以上は継続的に飲み続けてみると良いでしょう。そのため、飲みやすいサイズであることは、無理なく続けるための大切なポイントです。
一般的なサプリメントの大きさは、およそ10~20mm程度ですが、20mmを超えると飲みにくさを感じることもあります。また、サプリメントの形状は丸・カプセル・錠剤などがありますが、角がない形状の方が喉に引っかかりにくい傾向があるため、形にも注目してみましょう。
また、NMNサプリメントは1か月あたり数千円~数万円程度まで、価格帯に幅があります。継続しやすさを考えるなら、家計の負担になりにくい範囲で選ぶことが望ましいです。続けられる価格かどうかを見極めることが、結果的に満足度の高い選択につながります。
NMNサプリメントのおすすめの飲み方はある?
NMNサプリメントは、規定の分量を継続して摂取することが何よりも重要です。飲み忘れを防ぎ、習慣化させるためには、次の飲み方を参考にしてみてください。
飲み方の工夫
NMNサプリメントは薬とは違い、サプリメントであるため飲むタイミングの指定などはされていません。毎日のライフサイクルの特定のタイミングに組み込むことで、NMNサプリメントを生活習慣の一部として定着させやすくなります。
たとえば、サプリメントの摂取目安量が1日3粒であれば、毎食後に摂取すると習慣化することができます。また、食後は胃腸の働きが活発なタイミングであり、効率的に栄養素を摂取できます。
運動と組わせて飲む
NMNは体内でNAD+に変換され、エネルギー産生をサポートする働きがあります。運動と組み合わせてNMNサプリメントを取り入れると、エネルギー代謝を意識しながら摂取できます。
運動前後の水分補給や補食のタイミングでサプリメントを飲む習慣をつければ、飲み忘れの防止にもつながります。もともと運動をする習慣のある方はその流れに組み込み、運動の習慣がない方はストレッチなど無理のない範囲で体を動かすことから始めると良いでしょう。
朝のルーティンに組み込む
複数回に分けず、1日1回のペースで摂取したい場合は、毎朝のルーティンに組み込むのがおすすめです。朝は生活リズムが比較的決まっており、毎日同じタイミングで摂取しやすいため、飲み忘れを防ぎながら継続しやすい点が理由として挙げられます。
日中の活動を見据えて、「朝に摂取することが自分に合っている」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
必ずしも朝が最適なタイミングとされているわけではありません。しかし、負担なく続けられる時間帯として朝を選ぶことは、継続性を重視する方にとって適した選択といえます。
NMNサプリメントの安全性と副作用について
NMNサプリメントは食品に分類されるため、日常生活に取り入れやすい点が特徴です。 ただし、摂取量や体調との相性には個人差があり、パッケージに記載された摂取目安量を守ることが大切です。
1日あたりの摂取目安量を守り、過剰な摂取は避けることが推奨されています。運動・食事・睡眠と組み合わせた、補助的な位置づけでNMNサプリメントを取り入れることが望ましいでしょう。
また、健康状態や飲み合わせの相性には個人差があるため、体調に不安がある方や持病がある方は、摂取前に医師へ相談しましょう。ご自身の体質や服用中の薬との相性を確認してから始めると、安心して継続しやすくなります。
まとめ
NMNサプリメントは、健康維持や美容を意識する方から注目されているサプリメントのひとつです。ただし、製品によって純度・含有量、価格、飲みやすさは異なります。これらの要素を総合的に判断し、目的に合った製品かどうか見極めることが大切です。
また、サプリメントはあくまでも補助的な役割であり、食事・運動・睡眠と組み合わせて継続することが必要です。ご自身のライフスタイルを考慮しながら、無理なく続けられる製品を選択しましょう。
【参考】
- GeroScience 24 May 2024 volume46,pages 4671-4688「抗老化物質ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が 高齢者の歩行速度を維持し、睡眠の質を改善することを解明」(https://link.springer.com/article/10.1007/s11357-024-01204-1)
- 慶應義塾大学医学部 プレリリース 2020/1/21「世界初 抗老化候補物質NMNを、ヒトに安全に投与できることが明らかに」(https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2020/1/21/200121-1.pdf)
- 公益社団法人日本生化学会 Journal of Japanese Biochemical Society 95(3): 351-354 (2023)doi:10.14952/SEIKAGAKU.2023.950351「加齢によるNAD+の低下とサルコペニア・フレイルの病態」(https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2023.950351/data/index.html)
- 消費者庁 食品表示・機能性表示食品について
- 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会 GMPの概要
- Nutrients 2022 Feb 11;14(4):755. doi: 10.3390/nu14040755.「ニコチンアミドモノヌクレオチド12週間摂取が日本人高齢者の睡眠の質、疲労、身体能力に及ぼす影響:ランダム化二重盲検プラセボ対照試験」(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35215405/)
執筆者・監修者

株式会社CloudNine
代表取締役 島本 倖伸氏
真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントを発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となったサプリメントやスキンケアのオールインワンジェルなどの『Refeelasシリーズ』を展開。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。
共同研究者

近畿大学農学部応用生命化学科
教授 澤邊 昭義氏
1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授、准教授を経て、2025年近畿大学教授(農学部)。
専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。