「最近、愛犬・愛猫の食欲が落ちてきた」「以前より寝ている時間が増えた」そんな変化に気づいたことはありませんか?
ペットは人間と同じように、加齢とともに体の機能が変わってきます。そのため、健康を維持するためには、食事のサポートが必要です。
ほとんどの犬や猫などは、7歳以上になると老齢の類に入ってきます。消化機能や免疫力が低下するといった問題が出はじめる頃です。そうした時期からは、ペットの症状に合わせた食事サポートが必要になります。
今回は、ペットにも年齢に合った食事が必要な理由や、加齢とともに起こる身体機能の特徴や食事のサポート例などを解説します。
ペットも年齢に合った食事が必要
犬や猫などのペットも年齢を重ねると、若い頃とは異なる栄養ニーズがでてくるため、年齢に合った食事が必要になります。
犬や猫の7歳は、人間で考えると40代に当たるため、体の機能が異なってくるためです。人間でも40代に差し掛かれば、脂っこい食べ物よりヘルシーな食事のほうが合うと感じることがあり、ペットにも同じ事がいえます。
例えば、10歳を超えた柴犬は、急に食が細くなったり、以前より寝る時間が長くなったりといった変化がみられることがあります。これは代謝や消化機能の低下、さらには筋力や免疫力の衰えによるものです。
そのため、ペットの食事も年齢に合わせて消化吸収しやすいものや、必要な栄養素を補ってあげられるフードに切り替える必要があります。
永くペットと一緒に生活するためには、ペットの健康にも気を配りましょう。食事面も年齢に合わせて切り替えることを検討する必要があります。
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ペットの加齢ごとに起きる変化と食事サポート
ペットは加齢ごとに身体機能の変化がともなうため、食事もそれに合わせてサポートが必要になります。とくにペットの7歳は人間の40代に相当する体になるため、脂質などを控えて、病気になりにくい栄養素が入ったフードを与えるとよいでしょう。ここでは、ペットの加齢ごとに起きる変化と食事サポートについて解説します。
食事のサポートでは、ペット用のサプリメントを使うのも一つの手です。サプリメントの必要性などは以下の関連記事で詳しく解説しています。
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消化能力の低下
ペットも年齢を重ねるにつれ、胃酸や消化酵素の分泌が減少し、消化機能が低下していきます。そのため、食べたものをうまく吸収できなくなる傾向があるでしょう。
食べる量が減ったり、下痢をしやすくなったりするのは、加齢のせいで消化能力が低下しているのが原因になっている場合があります。
ペットが高齢に差し掛かってきたら、消化しやすい工夫がされているフードを選ぶのも一つの方法です。また、低脂肪のフードに切り替えることで、食生活のバランスを整えることができます。
食事の傾向や排せつパターンなどを観察して、ペットに合わせた食事サポートを行いましょう。
筋力や関節の低下
高齢のペットも人間と同じように、筋力や関節機能の低下がみられることが多くなります。
今まで階段の行き来や散歩などの運動を楽しく行っていたのに、最近では嫌がるようになったら、関節に問題がないかチェックしたほうが良いでしょう。ペットが嫌がるからといって散歩などの運動をさせないと、余計に筋力が衰えて老化がすすんでしまいます。
健康維持のためには、良質な動物性タンパク質を含むフードを選ぶことも大切です。コンドロイチンやグルコサミンなどを含むフードも販売されていますので、健康維持のために選択肢の一つとして検討してみてください。
老齢のペットにはタンパク質の量と質の管理に加えて、適切な体重管理も行うと効果的です。タンパク質を多く摂らせ、適度に運動させれば、筋力の維持とともに骨も強くなります。ただし、老齢のペットに無理をさせることは禁物です。ペットに合わせた無理のない範囲の散歩などで、適度な運動をさせましょう。
免疫力の低下
ペットも加齢とともに、免疫力が低下していきます。そのため、老齢のペットは感染症などの病気にかかりやすくなる傾向です。
例えば老犬の場合、皮膚トラブルや歯周病になりやすく、細菌感染や心臓病などのリスクが高まります。
ペットの健康維持のためには、以下の成分を意識するとよいでしょう。
- 乳酸菌:腸環境を整える
- ビタミン(ビタミンCや・E・Aなど):抗酸化作用を持つ
- オメガ3脂肪酸:抗炎症作用を持つ
腸はペットにとっても第二の脳と呼べるほど重要な器官です。腸内環境を整えると、ストレスが軽減でき、免疫力強化につながります。
抗酸化作用を持つ成分を含むフードを選ぶことも、健康維持の一助となります。 加齢がすすむと体内が炎症し、さまざまな病気の原因になります。オメガ3脂肪酸は健康維持のために役立つ成分として知られています。
老齢のペットへの食事を改善する場合は、総合栄養食のフードを選ぶとよいでしょう。
腎機能の低下
ペットでも加齢によって腎機能が低下し、慢性腎臓病になることがあります。
腎臓病は軽度の場合は症状がほとんどないため、気づきにくいのが特徴です。ただし、腎機能が低下すると脱水しやすく、水を多く飲むようになります。
腎機能が低下しているペットの食事には、リンやナトリウムなどを制限するのが効果的です。多くのペットフードメーカーから、腎臓にやさしい療法食が販売されているので、獣医と相談の上、試してみるとよいでしょう。
また、ペットの腎臓毒物物質になるものを身近に置かないようにしてください。犬の場合は、レーズン・ブドウ・ユリなどが腎障害を引き起こす原因になります。
心臓の機能の低下
ペットも年齢を重ねると、心臓の機能が低下しやすく、心疾患にかかりやすくなります。
心疾患は老齢のペットだけでなく、犬の場合は小型犬もかかりやすいといわれています。
心疾患を抱えているペットの食事は、ナトリウム量を減らすことが重要です。そのため、人間の食べ物は塩分が多いため、与えないようにしましょう。すでに心疾患を発症しているなら、療法食のフードを与えてください。
加齢にともなう心臓機能の低下の場合、なにもしていないのに息をハアハアしている、あまり動きたがらないといった症状がでます。ただの老化だと思わず、気になったら動物病院で診察を受けることをおすすめします。早期に発見できれば、心臓に負担をかけない食事などで進行を抑えることができるでしょう。
ペットの食事介助のコツ
ペットも加齢にともなって、噛む力や飲み込む力が弱くなったり、食欲が低下したりします。そのため、食事のサポートが必要になるケースも少なくありません。
ペットの食事介助を行う際は、以下のコツがあります。
- 柔らかい食事を与える
- こまめな水分補給をする
- 頭の位置を高くする
ペットの状態にもよりますが、自ら食事できるなら、まずは柔らかく消化しやすいフードを与えてください。また、食べたものを胃に流し込むために、食事中にはこまめに水分補給をするとよいでしょう。とくに老齢のペットはのどの渇きを感じにくくなるため、こちらから促してあげるとよいです。また、寝たきりになってしまったペットの場合は、体を少し起こして頭の位置を高くすることで、食事がしやすくなります。
少しでも長く一緒に過ごすためには食事は欠かせないため、やさしく食事介助をしましょう。流動食などペットの状態に合わせたフードも販売しているので、ぜひ探してみてください。
ペットの食事が終わったら様子をみる
食事を終えた後はそのままにせず、ペットの様子を観察してください。健康維持のためには、食事後の様子をみることが欠かせません。
例えば、食後すぐに嘔吐したり、ぐったりしたりする様子があれば、胃腸や内臓に問題がある可能性があります。また、食べ残しの有無や、食べるスピードの変化もチェックポイントです。
飼い主の日々の「気づき」が、ペットの病気の早期発見と重症化の予防につながります。老齢のペットにとって、食事は単なる栄養補給ではなく、健康状態を映す鏡です。日常のちょっとした観察が、長く一緒に過ごすためのコツといえます。
まとめ
ペットも人間と同じように、加齢にともなって身体の機能が低下しやすく、年齢期に合わせた食事サポートが必要です。
とくにペットの7歳は人間の40代に相当する体になるため、脂質などを控えて、病気になりにくい栄養素が入ったフードを与えるとよいでしょう。もし、ペットが寝たきりなどになって食事介助の必要がでてきたら、柔らかい食事を与えるなど、今回紹介した食事介助のコツを実践してみてください。また、日ごろのペットの様子を観察してなにかいつもと違うと感じたら、獣医に相談するなど、早期の対策を取るとよいでしょう。
執筆者・監修者
株式会社CloudNine
代表取締役 島本 倖伸氏
真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントを発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となったサプリメントやスキンケアのオールインワンジェルなどの『Refeelasシリーズ』を展開。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。
共同研究者
近畿大学農学部応用生命化学科
教授 澤邊 昭義氏
1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授、准教授を経て、2025年近畿大学教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。