サプリメントと健康食品はどう違う?

ドラッグストアの棚やネットショップに並ぶ、様々な種類のサプリメント。

それぞれ、各種ビタミンやミネラル、そして最近注目のNMNなど、特定の成分が凝縮されており、手軽に必要な栄養素を摂れるとあって、多くの人々から選ばれています。

では、よく耳にする「サプリメント」と「健康食品」、これらはどう違うのでしょうか?

この記事では、サプリメントと健康食品の違いについて、わかりやすく説明していきます。

両者の定義や特性、その違いを把握することで、より自分に合うアイテムを選びやすくなるはずです。

あなたが健康を維持するための適切な補助食品を選ぶための参考になれば幸いです。

サプリメントの特徴

日常生活でよく使われる単語の「サプリメント」ですが、実はその正確な定義が明らかにされているわけではないのが現状です。

一般にサプリメントは「健康を支える特定の成分を絞り込み、手軽に取れる形(錠剤やカプセルなど)で提供される製品」とされることが多いでしょう。

ただ、特に固定の定義がないため、医薬品に近い形状の製品から、まるでお菓子のようなグミやラムネ形状のものまで、バラエティーに富んでいます。

海外では、日本で言う「サプリメント」は、「dietary supplement:食事補助剤」(アメリカ)、「food supplement:食品補助剤」(ヨーロッパ)と呼ばれ、明確な定義があります。

日本では具体的な定義はありませんが、一般的には医薬品とは違う、健康を補助する食品の一種として考えられているといえるでしょう。

サプリメントには、治療や予防効果が直接的に表明されているわけではありませんが、健康を補助する役割が期待できます。

ビタミンやミネラルはもちろん、ポリフェノール、アミノ酸、多糖類、脂肪酸など、多様な成分が含まれています。

これらはそれぞれ、特定の栄養素や機能成分を補う目的で配合されています。

健康を保つため、または生活習慣病を防ぐためには、必要な栄養を摂取することが不可欠です。

ですが、規則正しい食事や運動を続けるのはなかなか難しいですよね。

サプリメントはそんな時に便利なアイテムとなっています。

サプリメントの利点

サプリメントの魅力は、何よりも食事だけでは補いきれない栄養素や特定の成分を、短時間で簡単に摂取できる点です。

大半が錠剤やカプセルという形状をしているため、どんなタイミングでも水さえあれば飲みやすいアイテムとなっています。

小型のため、携帯や保存も楽です。旅行や出張、通勤途中など、外出先でも気軽に摂取できるという利便性があります。

自身の健康状態や目標に応じて、特定のものを選べるのも大きな特長です。

体力向上、美容、疲労回復など、様々なニーズに応じた商品が豊富に存在しています。

サプリメントの注意点

サプリメントで注意したいのは、一般的に食品として扱われるため、その効果や安全性についての証明が必ずしも求められていないこと。

そのため、製品によっては科学的な根拠に乏しいものも存在します。

消費者自身が情報を適切に理解し、信頼性の高い製品を選ぶことが求められます。

摂取量にも注意が必要です。

栄養素や成分の摂取は適度が大切で、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、特定の成分が過剰に摂取されると、一部の症状や副作用が現れることもあります。

サプリメントは、食品の一部であり、病気の治療を目的としたものではありません。

あくまで健康維持の補助として利用するものであり、使用する際には適切な知識と理解が必要です。

特に医薬品と併用したり、複数のサプリメントや健康食品と併用したりする際には、サプリメントが持つ成分と医薬品や他食品との相互作用を考慮するためにも、医師や薬剤師と相談することが重要です。

健康食品の特徴

「健康食品」という言葉の定義は法律に明記されていませんが、一般的には、健康維持や向上を目指して特に選ばれる食品をさします。

これらは、栄養バランスの良い食事をサポートするためのアイテムといえるでしょう。

しかし、“健康”食品と言っても、それが必ずしも特定の病気の症状を改善するとは限りません。

それは、健康食品が基本的には「食品」であり、医薬品ではないからです。

なお健康食品の中には「保健機能食品」と呼ばれるものも含まれます。

保健機能食品制度は、特定の保健目的を持つ食品や、一定の栄養成分について、その機能を表示できる制度です。

これらは、国が定めた安全性や有効性の基準をクリアした食品で、「お腹の調子を整える」や「脂肪の吸収を緩やかにする」などの特定の保健目的が期待できるものです。

この制度は2009年9月に厚生労働省から消費者庁に移管されました。

健康食品の利点

健康食品の利点として、特に「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」と呼ばれるものは、消費者庁によってその安全性や有効性が審査されていることが挙げられます。

これにより、消費者は安心してその商品を選ぶことができるのです。

次に、健康食品は液体や粉末などさまざまな形態で提供されています。

これは、水や牛乳に混ぜて飲むことが可能で、そのため摂取しやすいというメリットがあります。

さらに、健康食品は、その名称が示す通り、特定の健康目的に貢献することを目指しています。

これにより、消費者は自分の健康目標やニーズに合わせて適切な製品を選びやすいのです。

例えば、血圧を下げる効果を求めるのであれば、その目的を明確に掲げている商品を選ぶことができます。

健康食品の注意点

健康食品を利用する際にはいくつか留意すべき点があります。

一つ目は価格についてです。

特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品といった制度に基づく製品は、その安全性や有効性が審査されるため、その製造コストや審査料等が価格に反映され、一般の食品よりも高価になることがあります。

次に、形状の問題もあります。

健康食品は液体や粉末形状のものが多いため、外出先などでの持ち運びや、適切な保存状態を保つのが難しい場合があります。

最後に、個々の体質や生活習慣によって、同じ健康食品でもその効果が異なる場合があります。

これは、健康食品があくまで食品であるため、個々の体質や生活習慣によって吸収の仕方や反応が変わるからです。

そのため、一概に全ての人に効果があるとは言えない点には注意が必要です。

サプリメントと健康食品の違いとは?

サプリメントと健康食品、どちらも健康維持や増進に寄与する食品としてよく知られています。

しかし、その定義や扱いには大きな違いがあります。

まずサプリメントとは、健康や美容に寄与するとされる栄養素や機能性成分を高濃度に含んだ食品で、主に錠剤やカプセルの形で提供されます。

ビタミンやミネラルなど、特定の成分を目的に摂取するために製造されています。

その名前が示す通り、“Supplement”は英語で「補足」や「追加」を意味し、通常の食事だけでは不足しがちな栄養素を補う目的で使われます。

これらは食品衛生法の下で食品として管理され、薬とは異なり、即効性のある効果を期待するものではありません。

そして健康食品とは、特定の保健目的に役立つとされる食品全般を指し、液体や粉末などさまざまな形状で提供されます。

特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品など、消費者庁により定められた制度のもとで取り扱われ、それぞれの食品が特定の機能性を持つことが認められています。

なお法律では「健康食品」「サプリメント」という用語の正確な定義は存在していません。

それゆえ、「栄養補助食品」や「健康補助食品」といった表現も見かけます。

それらは全て「食品」に分類され、医薬品とは異なり、「~に効く」などの効能を明示することは許可されていません。

しかし、「お腹の調子を整える」や「脂肪の吸収をおだやかにする」など、特定の保健目的が期待できるとの機能性を表示できる食品も存在します。

これらは「保健機能食品」と呼ばれ、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の3つのカテゴリーがあります。

機能性表示食品とトクホの違いとは?

機能性表示食品と特定保健用食品(トクホ)は、どちらも健康に良い効果を求める人々にとって重要な選択肢です。

しかし、これら2つのカテゴリーには重要な違いがあります。

特定保健用食品、通称「トクホ」は、その名の通り、特定の健康効果が認められている食品です。

これらは1991年から存在し、その利点や効果は国の厳しい審査を受けています。

つまり、国がその効果を保証しているのです。

認定された商品には、ヨーグルトや飲料、ガムといった形状を持つ食品が多く、それぞれが「コレステロールの吸収を抑える」など特定の健康効果を持つことが認定されています。

消費者には「特定保健用食品」であることが明確に表示され、認証マークも存在するので、選ぶ際の手助けとなります。

そして機能性表示食品は、2015年からスタートした新たなカテゴリーの食品です。

こちらの制度は、商品の機能性を明確に示し、消費者がそれぞれの商品を正しく理解し、選択できるようにするために導入されました。

この種の食品は、国の審査を受けるわけではなく、各企業が自己責任でその食品の安全性と機能性について科学的な根拠を示し、表示することが求められます。

その情報は消費者庁のウェブサイトで公開され、消費者自身がその情報をもとに選択をする仕組みになっています。

また、「栄養機能食品」というカテゴリーもあります。

これらは特定の栄養素の補給を目的とし、その栄養素の効能を表示する食品です。

ただし、1日の摂取目安量に含まれる栄養素の量が一定の基準内でなければならず、その効能だけでなく、注意喚起表示なども記述する必要があります。

サプリメントや健康食品と「医薬品」との違いとは?

錠剤やカプセル型の健康食品やサプリメントは見た目が医薬品と似ていますが、これらには大きな違いがあります。

ここでは、その主な違いを見てみましょう。

ラベル表示における違い

私たちが飲食するものは、医薬品や医薬部外品を除けば、すべて「食品」に分類されます。

そして、食品には基本的に体の機能に影響を及ぼすという表示はできません。

つまり、健康食品が「特定の病気を治すとうたう」「パッケージに特定の病名を表示する」などは禁止されています。

ただし、特定保健用食品(トクホ)の中で、病気のリスクを減らすと証明されている商品については、「疾患リスク低減表示」として病名を表示することができます。

また、医薬品は病気を治す目的で、「1回2錠・食後に」といった服用のタイミングや量が明確に指示されています。

しかし、健康食品はそのような表示が許可されていないため、「摂取目安量」のような形で表示されます。

品質管理における違い

医薬品は全てGMP(Good Manufacturing Practice)という基準の下で製造されています。

これは医薬品の製造と品質管理に関する基準で、製造者はこの基準に従って医薬品を製造します。

医薬品の品質は私たちの健康、場合によっては命にも関わるため、製造過程におけるエラーや不正行為は許されません。

そのため、GMPにより厳格に管理されています。

対して健康食品に関するGMPは、厚生労働省の「錠剤・カプセル状の健康食品の安全性を確保するためのGMPガイドライン」に基づき、事業者が自主的に実行します。

これは医薬品のGMPと異なり、「事業者の自主的な取り組み」であるため、全ての健康食品がこのガイドラインに従って製造されているわけではありません。

したがって、健康食品が安全な品質であるかどうかは、我々消費者自身で見極める必要があります。

救済制度における違い

国内で正規に販売されている医薬品を適切に使用していても重大な健康被害が起こる可能性があります。

そういった状況に対応するために「医薬品副作用被害救済制度」という公的制度があります。

しかし、健康食品にはそのような明確な制度は設けられていません。

まとめ

サプリメントは健康食品の一種です。

ですがこれらのみに依存せず、まずはバランスの良い食生活が重要であるということを忘れてはなりません。

栄養の偏りや生活の乱れを健康食品やサプリメントだけで解決しようとせず、食事、運動、休養の質を高めるための補助的なものとして、上手に利用することが大切です。

 

執筆者・監修者

代表取締役 島本 倖伸氏

株式会社CloudNine

代表取締役 島本 倖伸

真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントのRefeelas(リフィーラス)を発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となった「Refeelasサプリメント」、スキンケアの「Refeelasオールインワンジェル」を販売。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。

共同研究者

准教授 澤邊 昭義氏

近畿大学農学部応用生命化学科

准教授 澤邊 昭義

1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授を経て、2000年近畿大学准教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。