サプリメントの原料や種類は?チェックしたい表示を解説

多くの種類が売られているサプリメント。

選ぶ際に押さえておきたいポイントの1つが、パッケージやホームページなどに記載された表示です。

表示には原料をはじめとするいくつかの項目があります。

この特徴や違いをおさえておくと、お悩みに合わせて適切なサプリメントを選びやすくなるはずです。

今回は、サプリメントの原料や種類、原料とともにチェックしたい表示項目を解説します。
 

サプリメントの原料の種類

サプリメントの原料は、大きく分けると2つあります。

それぞれ異なる特徴や注意点を持っており、サプリメントをより効果的に摂取するには、原料にも注目しなくてはなりません。

まずは、2つの原料が持つ特長や注意点を解説します。
 

天然原料

天然原料は、魚介や酵母・野菜や果物などの食材から抽出された原料です。

天然の素材から得られる栄養や成分を取れるだけでなく、それらと相乗効果を示す有効成分も同時に取れます。

自然な原料から作られた成分をそのまま摂取したい方におすすめです。
 

合成原料

合成原料は、人工的に分子の構造を変化させて作った成分を原料としているものです。

コストを抑えて作られているものが多いうえに、栄養素や成分が凝縮されています。

安価かつ少ない量で高濃度の栄養や成分が摂取できる傾向にあるのが特徴です。

アレルギー物質が含まれていないものがほとんどのため、食物アレルギーがある方でも安心して使いやすいでしょう。

 

サプリメントの原料の種類による違い

ここでは、サプリメントの原料による一般的な違いを見ていきましょう。
 

価格

天然成分は天然の食材などを加工している分、どうしても原材料費や加工費としてコストがかかる傾向にあります。

その分、サプリメントとして販売される際の価格も高くなりがちです。

対して合成原料は、人工的に分子の構造を変化させて作った成分を原料としているため、コストが安く済む傾向にあります。

ただしこれはあくまで傾向であり、製品によって実状が異なるため、実際の価格を比較しつつ選ぶことをおすすめします。
 

栄養や成分の吸収率

天然成分と合成成分では、栄養や成分ごとの吸収率による違いもあります。

これは同じ成分でも天然・合成により種類が異なるためです。

たとえば、ビタミンEは天然・合成の両方で販売されています。

天然原料のビタミンEは「d-α-トコフェロール」または「天然ビタミンE」です。

一方、合成原料のビタミンEは「dl-α-トコフェロール」といい、天然原料のものとは異なるビタミンEです。

ビタミンEは、天然成分の方が吸収率に優れているため、より効率的に取りたいなら「d-α-トコフェロール」または「天然ビタミンE」と表記されているものを選んだほうが効率的に効果を得られる可能性が高いです。

ビタミンEは天然成分の方が吸収されやすいですが、葉酸などの一部の栄養素や成分の中には、合成の方が吸収しやすいものもあります。

アレルギーや価格のことを考えると、一概に天然または合成の方が優れているとはいえません。

同じ成分といっても原料により違いがあることを押さえておきましょう。

また、サプリメントの利用を検討する際は、自分がほしい栄養素や成分は、天然と合成どちらの方が吸収しやすいのか事前に調べておくと、サプリメント選びのときに役立ちます。

また栄養素や成分の中には、取り過ぎるとかえって不調を招いてしまうものがあるほか、アレルギーが出やすくなるものもあります。

吸収率が高ければよいわけではなく、適切に適量を摂取するのが基本です。
 

成分表における表示

サプリメントの原料は、成分表でもある程度チェックできます。

天然素材でできている成分の場合、原材料が記載されます。

以下の内容は、天然ビタミンCの記載例です。

・アセロラエキス(ビタミンC含有)

・ビタミンC(アセロラ由来)

合成成分の場合は、原材料名の記載がありません。

同じようにビタミンCで記載すると、以下のようになります。

・ビタミンC

・VC

天然・合成は成分表を見ればひと目で分かります。

サプリメントを選ぶときは必ず確認しましょう。

また、食物アレルギーがある場合、アレルゲンが含まれているかも原材料を確認することでチェックできます。

たとえば、サプリメントによくある成分のひとつであるグルコサミンの場合、天然は「グルコサミン(エビ・カニ)」のように表記されます。

かっこ内の文字がない場合は合成です。

甲殻類アレルギーを持っている方がグルコサミン入りのサプリメントを探す場合は、成分表のグルコサミンの部分をチェックすれば、安心して飲みやすい傾向にあります。

ただし個人差があるため、必ずかかりつけの医師や薬剤師にあらかじめ相談したほうが無難でしょう。

 

含まれる栄養素で分けるサプリメントの分類

サプリメントは含まれる栄養素によって、大きく4つにわけることができます。
 

ビタミン系

ビタミンCやB群、A・Eなどのビタミンが含まれているサプリメントです。

体の調子を整え、生活していくのに必要な力を補うのに活用されます。

ビタミン系は研究が進んでおり、科学的根拠に基づいたデータが多数あるのが特徴です。
 

ミネラル系

カルシウムやマグネシウム、鉄分などを摂取できるサプリメントです。

骨や血を作る原材料や、ビタミンとともに体の調子を整える作用があります。

ビタミン同様、科学的根拠がはっきりしており、安心して摂取できるサプリメントが多いタイプですが、過剰摂取による影響もあるため注意が必要です。
 

アミノ酸系

アミノ酸はタンパク質を構成しており、筋肉や活動のためのエネルギーとなる成分です。

アミノ酸は20種類がありますが、そのうち8種類は人体で合成できないため、必須アミノ酸と呼ばれています。

食べ物などで補給する必要があるため、サプリメントにもよく配合されています。
 

ハーブ系

ハーブにはさまざまな成分が含まれており、健康や美容を保つのに有効です。

このエキスを凝縮したサプリメントもあります。

昔から使われているハーブから、近年効能が発見されたハーブまで、さまざまな成分がサプリメントとして活用されています。

非常に種類が多く効果もさまざまなため、ハーブ系サプリメントを購入する際は、よく調べてから購入を検討した方がよいでしょう。
 



 

原料とともにチェックしたい表示

サプリメントを購入する際、原料と合わせてチェックしたい表示を解説します。
 

法的な区分

サプリメントは、法的な区分でいうと医薬品ではありません。

健康食品、つまり食品の一種です。

この健康食品の中には、医薬品ほどではないがある程度の効果が見込めるものや、一定量の栄養や成分が入っていることを提示できるものがあります。

より効果のあるサプリメントがほしい場合は、この法的な区分にも目を向けましょう。

区分は大きく分けて4つあります。

・特定保健用食品(トクホ)

・栄養機能食品

・機能性表示食品

・一般食品

特性保健用食品は、厚生労働省の審査を通過することで一定の効果効能があることを認められた食品を指します。

別名トクホとも呼ばれており、専用のマークとともに認められた効果効能が記載されているのが特徴です。

特定保健用食品として認められるものは、サプリメントだけではありません。

携帯食品や飲料などにも認定を受けたものがあります。

栄養機能食品は、科学的根拠に基づいた栄養成分を一定の基準量満たしていることを、国が定めた表示に従って提示している食品です。

ルールを守って表示すればよいため、特定保健用食品のような届出は必要ありません。

機能性表示食品は、国が定めるルールに基づいた必要事項を消費者庁に届けることで、特定の機能を有していることを表示している食品です。

消費者庁に届出を出すことで表示していますが、特定保健用食品のように審査をしているわけではありません。

あくまでも届出の内容をもとに許可を出しています。

一般食品は、上記3つの条件をどれも満たしていない食品です。

普通の食品や食材はもちろん、サプリメントも一部含まれます。

カプセルや錠剤など、いかにもサプリメントの形状をしていても、条件を満たしていないものはすべて食品扱いです。

条件を満たしていないサプリメントが効果や効能をパッケージなどに記載するのは薬機法違反となる点にも注意が必要となります。
 

成分配合量

一口にサプリメントといっても、配合量はそれぞれ異なります。

自分の欲しい成分がどれだけ入っているかをチェックするためにも、成分配合量にも注目しましょう。

成分配合量は、量が記載されていない場合でも原材料名一覧で大体の量が予想できます。

原材料名一覧は、成分の多い順番で表記されているため、一番初めに表記されている成分が一番多い成分です。

たとえば、肌荒れの改善のためにビタミンC入りのサプリメントを購入しようとしたとします。

調べた結果、ふたつのサプリメントに絞り込めました。

それぞれの原材料一覧を見ると、以下のように記載されています。

A:原材料名:ビタミンC(ローズヒップ由来)、ビタミンE(米ぬか由来)、ハトムギエキス

B:原材料名:ハトムギエキス、ローズヒップエキス(ビタミンC含有)、VE

どちらも天然ビタミンCが配合されていますが、Aのサプリメントは一番上に名称が記載されています。

つまり、こちらの方が割合として多く配合されていると判断できます。

ただし粒の大きさや重さが異なる可能性もあるため、総量や一粒あたりの成分配合量なども合わせてチェックしたいところです。

名称や宣伝で栄養素や成分をうたっているものでも、原材料名一覧は必ず確認することをおすすめします。
 

栄養成分表示

サプリメントに配合されている成分の具体量を確認したい場合は、栄養成分表示を確認しましょう。

これは食品に含まれている栄養素を、食品表示法のルールに則って記載したものです。

食品は法律により栄養成分表示が必須化されており、サプリメントも明記しなくてはなりません。

栄養成分表には、国が定めたルールに従って以下5つの成分が記載されています。

・エネルギー(熱量)

・たんぱく質

・脂質

・炭水化物

・食塩相当量

一部のサプリメントや健康食品の中には、これらの成分に加えて欄外に名称などに関係する成分がどれだけ入っているかを表示しているものもあります。

原材料名では、サプリメントの中身がどれだけ多く入っているかまでしか判断できません。

具体的な量は、栄養成分表示で確認できます。

具体的な量が知りたい場合や、過剰摂取が心配な場合は栄養成分表示をチェックしましょう。
 

添加物

サプリメントを購入するとき、ついつい成分や原料に目がいきがちですが、添加物もチェックしましょう。

サプリメントに使われる添加物の多くは安全性が確認されていますが、特に国外で生産されたものは日本と基準が違う可能性もあるため注意したいところです。

サプリメントによく含まれる添加物としては、以下のものがあげられます。

・粉の流動性を高める成分(ハードカプセルやタブレットの製造に必要)

・粉を固めるための薬剤(タブレットの製造に必要)

・カプセル剤の原料

・増量剤

・着色料

・甘味料

・香料

・保存料
 

原産国表示やアレルギー表記

サプリメントの安全性が気になる方は、原産国表示をチェックしましょう。

食品添加物以外の原材料、サプリメントでいうと栄養素や成分の中でも最も多く配合されているものは、原産国が表示されています。

サプリメントの場合は、原材料の最終加工国です。

産地などが気になる場合は「○○製造」の表記を探しましょう。

原材料表示ではアレルゲンの表示も必須とされています。

天然成分の表記のように、原材料名に記載されている場合だけでなく、アレルギー表記用の枠を作って表示しているサプリメントもあります。

アレルギーの心配がある方は必ず確認してください。

 

まとめ

サプリメントの原料は天然・合成でそれぞれ異なる特徴があります。

賢く使い分けるには、特徴をよく理解したうえで選ぶことが大切です。

また、原材料だけでなく、その周辺にある表示にも注意しましょう。

 

#サプリメント #特定保健用食品 #機能性表示食品

執筆者・監修者

代表取締役 島本 倖伸氏

株式会社CloudNine

代表取締役 島本 倖伸

真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントのRefeelas(リフィーラス)を発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となった「Refeelasサプリメント」、スキンケアの「Refeelasオールインワンジェル」を販売。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。

共同研究者

准教授 澤邊 昭義氏

近畿大学農学部応用生命化学科

准教授 澤邊 昭義

1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授を経て、2000年近畿大学准教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。