私たちの体内に備わっている「免疫力」。
これを増進していくことで、健康的な体を維持しやすくなります。
ですが免疫力は、日々の生活に潜む様々な要因によって低下していくことがあります。
この記事をご覧の方の中には、「すぐに風邪を引いてしまう」「体の疲れが抜けない」などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もしかしたらその原因の1つが免疫力にあるかもしれません。
今回は、免疫力の基本と日々の生活のなかで免疫力を高めるポイント、免疫力をサポートするサプリメントについて解説していきます。
免疫とは
免疫とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなど、身体にとって健康を害する要因を取り除く働きのことです。
体内に存在している免疫細胞によって、感染症(風邪など)や病気を抑止する働きをします。
免疫細胞は、健康を害する要因を察知すると、その要因を排除するために攻撃を行います。
対外的要因に対してバリアをする皮膚や粘膜、腸内の細菌類などを排除するのが主な役割です。
この免疫細胞の力が「免疫力」となります。
これが低下してしまうと、ウイルスなどへの抵抗力も低下してしまうため、病気を予防するためには免疫力を高めておく必要があるのです。
免疫が低下する要因とは
人間には本来免疫力が備わっています。
しかし現代社会には、ストレスや食生活の乱れ、大気汚染、運動不足のほかに、抗生物質への耐性を持つウイルスなど様々な問題があり、免疫機能を下げてしまう要因としても考えられています。
免疫力が低下すると、病気になるリスクが高まるだけではなく、アレルギーなどの要因になる場合も。
そのため、免疫力を高めるためには、生活習慣のバランスを整える必要があります。
特に栄養のとれた食事・適度な運動・十分な休息は重要です。
この3つを整えておくことで、自己の免疫力を正常に保つことが可能になります。
免疫力を高める生活習慣の一例
バランスのとれた食事・禁煙・適度な運動・良質な睡眠の確保・過度な飲酒をしない など…
日頃から健康的な生活を意識づけることで、免疫力を高めることが可能になります。
免疫機能のシステム
病気を予防してくれる免疫機能には、「粘膜免疫」・「自然免疫」・「獲得免疫」の3つに区分することができます。
それぞれの機能の仕組みについて解説しましょう。
粘膜免疫
粘膜免疫には、粘膜がある器官(鼻・口・目・腸管など)から病気の要因になる細菌等が入ってくるのを予防する働きがあります。
lgA抗体(免疫抗体)が粘膜内で分泌され、ウイルスなどの侵入を防ぐ働きをします。
自然免疫
自然免疫は、体内に有害な細菌等が入ってきた時に、それらの要因を認知し攻撃するしくみをもっており、本体人体に備わっている免疫機能です。
ウイルスなどの侵入を察知する仕組みとしては、本来自己の細胞にないイレギュラーな性質をもったものが、体内に入ってきた場合に認識する働きを行います。
本来もっている細胞等へは影響を及ぼすことなく、異質な物に対して攻撃を行う特徴があります。
獲得免疫
獲得免疫の特徴は、自然免疫では認識することのできない微細な細菌等を発見し、攻撃を行うことです。
万が一、自然免疫では対応し損ねた有害な物質にも対処が可能となります。
また、獲得免疫には記憶のシステムが働くため、同じウイルスや細菌が侵入してきた際にも、迅速に排除する働きを行う特徴もあります。
免疫力を高めるポイント
免疫機能を高めるためには、バランスのよい生活習慣が大切です。
「食事編」・「運動編」・「睡眠編」・「ストレスフリー編」に分けて、免疫力を高めるポイントについて紹介します。
食事では主食と副菜のバランスを考慮する
食事を通して免疫力向上をめざす場合には、やはり栄養バランスを意識することです。
肉中心の食生活、野菜のみの食生活など、極端に偏った食事を行うと、栄養バランスが崩れて免疫力が低下する可能性があります。
バランスのとれた食事を意識する際に参考にしたいのは、「食事バランスガイド」です。
この「食事バランスガイド」は、厚生労働省と農林水産省が共同で作成したガイドラインになります。
主食と副菜のバランスの良い分量などが解説されているため、日々の献立の参考にしてみるのもおすすめです。
ただし忙しい毎日のなかで、毎食全てのバランスを整えるのは大変です。
どうしても不足しがちな栄養素がある場合、サプリメントで補うことを選択肢に入れてみるのもよいでしょう。
運動は無理なく適度に
健康的な体づくりと聞いて運動を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
確かに免疫力を高めるために、日頃から運動し体力をつけておくことは大切です。
しかし、極端に負荷を与える運動や過剰な運動量をこなすことは、逆効果につながるケースもあります。
あくまでも大切なのは、身体に無理を与えすぎない程度の運動です。
息を乱さない程度の運動を心がけてみましょう。
「帰宅時は1駅分歩いてみる」など、軽い有酸素運動を日常生活に取り入れることから意識してはいかがでしょうか。
適切な睡眠時間を確保する
睡眠不足や睡眠障害は、体力や免疫力の低下につながることがあります。
普段の生活の中で、睡眠が十分に確保できていない場合には、風邪にかかりやすくなったり体調を崩したりする要因を引き起こしてしまう可能性もあるでしょう。
免疫力を高めるためには、まず十分な睡眠を確保することを優先します。
決まった時間に寝ることが可能な環境にある方は、睡眠時間を確保できるように逆算して生活リズムを整えてみましょう。
忙しくて決まった時間の睡眠時間の確保が難しい方は、睡眠の質を高めることに意識してみることもおすすめです。
寝る前にはなるべく携帯を見ない、体を温めるすぐに眠れるような体質改善をしてみるなど、短い時間でも、良質な睡眠を確保できるだけでも、十分に免疫力を高めるサポートをしてくれます。
ストレスを抱えすぎないよう解消する
ストレスは免疫だけでなく、体調不良を引き起こす要因にもなります。
日頃からストレスを抱えることのない生活を心がけるのがよいでしょう。
ストレスや免疫機能と関係しているホルモンに「コルチゾール」があり、ストレスが影響して増加するホルモンとも言われています。
糖質や脂質、タンパク質などの代謝にも影響してくるホルモンとして専門家の間で研究が進められています。
このようなストレスに直結するホルモンの増加を防ぐためにも、ストレスを発散できる方法を自分流にもっておくと良いでしょう。
免疫力をサポートするサプリメント
サプリメントは栄養素を補う目的が期待できます。
生活リズムが乱れてなかなかバランスを保つことが難しい場合の強い味方です。
ただしサプリメントには多くの種類が販売されているため、その中から目的にあった製品を選ぶ必要があります。
ここではサプリメントの種類別に、体内環境や免疫にどのような影響が期待できるか紹介しましょう。
ビタミンD
ビタミンDは、きくらげ、いわし、卵黄などに含まれる成分です。
美白効果としても注目を集めている栄養素として知られていますが、実は免疫機能のバランスを調整する作用もあると言われています。
サプリメントの中でもメジャーな栄養素でもあるため、どれを選んでいいのか迷ってしまう方は、まずはビタミンDを日々の生活に取り入れてみるのもおすすめです。
もしくはビタミンD以外にもさまざまなビタミンが含まれた「マルチビタミン」を検討するのも良いでしょう。
アガリクス
アガリクスの特徴は、「βグルカン」と呼ばれるキノコ特有の多糖類を含んでいる点です。
βグルカンには、マクロファージ(免疫細胞の一種)を活性化し、かつ増進する働きをもっている性質があり、体内に侵入してくる細菌やウイルスに対しての抵抗が期待できる性質をもっています。
免疫細胞を増やしたいと思っている方は、アガリクスのサプリメントを検討してみると良いでしょう。
乳酸菌
乳酸菌は、善玉菌の増進をサポートし腸内環境を整えてくるサプリメントとして主流の1つになりました。
悪玉菌が多い腸内は、免疫力低下が懸念されます。
乳酸菌は悪玉菌に抵抗する善玉菌を増やす働きがあると言われているため、免疫機能を高めるサポートが期待できるでしょう。
また、乳酸菌の死骸は本来腸内に存在している乳酸菌のエサになる性質も持ち合わせています。
そのため、万が一腸内まで乳酸菌が生きたまま届かなくても、善玉菌を増やす効果も期待できます。
腸内から免疫力を高めていきたいと考えている方は、乳酸菌のサプリメントを取り入れてみるのも良いかもしれません。
イヌリン
イヌリンも多糖類に分類され、芋類やごぼうなどに含まれている栄養素でもあります。
イヌリンは、水溶性食物繊維と呼ばれ体内で消化・吸収されることなく体外へ排出されていく性質があります。
この性質を利用して、イヌリンが体外へ排出される時に腸内の不要な老廃物を一緒に出してくれる働きも期待できるのです。
老廃物が体内に蓄積されてしまうと、腸内環境は悪化するリスクもあります。
腸内の老廃物を排除したいと考えている方は、イヌリンを検討してみると良いでしょう。
ショウガオール
体内を温め新陳代謝の向上をサポートする働きのあるショウガに含まれる成分です。
ショウガが体内を温める仕組みは、「ジンゲロール」が血管を拡げる働きが影響しています。
血の巡りが促されることにより新陳代謝を高めるのです。
ショウガオールは、ジンゲロールが変化した成分で、胃腸を刺激する作用もあると言われています。
体内の代謝を高めることで、免疫機能を活発し細菌などへの抵抗力を強める働きも期待できるでしょう。
ラフマ
ラフマはハーブの一種です。
心身をリラックスさせる作用があり、良質な睡眠をサポートする機能性成分として知られています。
ラフマの葉には、「ヒペロシド」・「イソクエルシトリン」と成分が含まれています。
この成分には、幸福感を感じるホルモンとされている「セロトニン」の分泌を増加させる働きがあると言われています。
「セロトニン」には、ストレス抑制作用が期待できます。
夜には睡眠誘導ホルモンである「メラトニン」に変化するのです。
メラトニンの働きで私たちは眠気を感じることができるのです。
ラフマを取り入れることで良質な睡眠が期待できるかもしれません。
NMN
NMNの正式名称は、ニコチンアミドモノヌクレオチド。
本来、私たちの体内に存在している成分でもありますが、年齢とともに減少し様々な機能(代謝機能や眼機能など)の低下に影響すると考えられています。
日々の食事だけで摂取するのが難しい成分だからこそ、サプリメントで補うのが有効です。
からだの中から健康面や美容面でのエイジングケアをおこないたい方におすすめとなります。
まとめ
今回は、免疫力について解説しました。
私たちのからだには元来、免疫力が体内に備わっています。
体調を崩しがちの方は、この免疫機能が低下して正常な働きをしていない可能性があるでしょう。
現代人は、忙しかったりストレスを抱えやすかったりと多様な課題を抱えています。
まずは、生活のリズムやバランスを整えることで免疫力の向上ができるかもしれません。
また、最近ではサプリメントも誰でも入手しやすくなっています。
サプリメントを有効活用し、免疫力の向上をめざす場合には解消したいお悩みを頭に浮かべつつ、目的に沿った成分が配合された製品を選ぶようにするといいでしょう。
#免疫 #サプリメント #生活習慣
執筆者・監修者
株式会社CloudNine
代表取締役 島本 倖伸氏
真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントのRefeelas(リフィーラス)を発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となった「Refeelasサプリメント」、スキンケアの「Refeelasオールインワンジェル」を販売。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。
共同研究者
近畿大学農学部応用生命化学科
准教授 澤邊 昭義氏
1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授を経て、2000年近畿大学准教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。