栄養が不足するとき、食事だけでは摂取しきれないとき、健康や美容のためにサポートがほしいときに役立つもの。
それがサプリメントです。
例えばNMNの場合、通常の食品には微量しか含まれないため摂取が難しいのですが、NMNの必要量があらかじめ配合されたサプリメントであれば手軽に摂ることができます。
しかし、その存在自体はなんとなく知っていても「何を選んでいいかわからない」、「どのように摂取すればいいのか迷ってしまう」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなサプリメントの役割や種類、選び方のポイント、摂取する上での注意点などを徹底解説します。
サプリメントとは?
サプリメントとは、基本的には食事から摂取できない栄養素や健康に有益な成分を補うために利用される製品のことを指します。
これらは通常、錠剤やカプセル、液体などの形で提供されています。
これらは、「栄養補助食品」とも呼ばれ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸といった栄養素の摂取を補助したり、成分による健康維持効果を目指したりするものです。
なおサプリメントは錠剤やカプセルといった形で出回っていますが医薬品とは違います。
あくまで健康食品の一種ということもあって、医薬品とは異なり法律として明確な定義は存在しません。
とはいえ体内へ直接摂り入れるアイテムということもあり、利用の際はさまざまな点に注意が必要です。
サプリメントの役割と使われる場面
サプリメントの役割は、一般的には以下の3つのカテゴリーに大別されます。
使われる主な場面とともに解説しましょう。
予防
日常から摂り入れることで、風邪の予防や健康の維持、免疫力アップなど、様々な健康リスクを抑えることを目指すサプリメントです。
改善
体調のすぐれない時や、心の浮き沈みが激しい時、または集中力やパフォーマンスを上げたい時など、サプリメントのなかには私たちの生活をより良いものにするための手助けをします。
運動能力や認知能力を向上させる助けとなる場合もあるでしょう。
美容
肌や髪をはじめ、外見を整えるためにサプリメントを利用する人も多いです。
体型維持や筋肉作りを目指す方々には、脂肪燃焼を促進するL-カルニチンやCLA、筋肉生成をサポートするプロテインやBCAAといったサプリメントが役立つでしょう。
ただし重要なことは、サプリメントはあくまでも「補助」の一環である点です。
医薬品ではないことに留意して適切なものを選んで使う必要があるほか、効果を最大限に引き出すには基本的な健康習慣との組み合わせが欠かせません。
サプリメントの種類
サプリメントは、さまざまな形で分類することができます。
役割別の分類
サプリメントは役割によって、3つに大別できます。
ベースサプリメント
体に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸、食物繊維、DHAやEPAなどを補います。
体を健康に保つための基本的な栄養素で、体内で作り出すことが難しいものが多いです。
食事だけでは足りない場合や、特定の栄養素を重点的に摂りたい場合に役立ちます。
ヘルスサプリメント
健康維持や美容のために利用されます。
主に特定の健康効果や美容効果を目指して摂取されるもので、個々の体調や目的に応じて選ばれます。
オプショナルサプリメント
特定の体調の改善を目指して利用されます。
個々の成分にはそれぞれ特有の効能があります。
成分別の分類
サプリメントは成分によっても大きな違いがあります。
製品によってビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸、植物エキスなど、さまざまな成分を含んでおり、期待できる効果が異なるのです。
ビタミン
体内で合成できないため、食事やサプリメントから補う必要があります。
免疫力や代謝、皮膚や粘膜の健康に関わることから、日々の生活で十分に摂取することが重要です。
ミネラル
カルシウムやマグネシウム、鉄などの無機質で、これもまた体内で作られないため、食事やサプリメントから補わなければなりません。
骨や歯、血液、神経伝達など、体のさまざまな機能を支えます。
アミノ酸
タンパク質の構成要素で、エネルギー源や筋肉の合成に関わります。
特に必須アミノ酸は体内で作られないため、食事やサプリメントから摂取することが求められます。
脂肪酸
体内では作れない成分の一つで、エネルギー源や細胞膜の形成に関わります。
オメガ3やオメガ6などの必須脂肪酸は、体内で作られず、食事やサプリメントから取り入れる必要があります。
植物エキス
植物から抽出された成分で、抗酸化作用や抗炎症作用など、身体の健康維持に役立つ特性を持つものもあります。
形状別の分類
サプリメントの形状による分類もあります。
これは摂取のしやすさ、保存の便利さ、吸収率などに影響を及ぼします。
カプセル型
パウダーまたはリキッド状の成分をゼラチンまたは植物性のカプセルに封入したものです。
飲みやすさと保存の容易さが特徴です。
錠剤型
成分を圧縮して作られた錠剤です。
保存が容易で、大量の成分を1度に摂取できる利点があります。
パウダー型
粉末状のサプリメントです。
水やジュースに混ぜて摂取します。
摂取量を調整しやすく、飲み物に混ぜることで飲みやすくすることが可能となります。
液体型
既に溶解されている状態のもの。
吸収率が良いとされていますが、保存には注意が必要です。
サプリメントの歴史と現状
サプリメントの歴史と、日本における位置づけについて解説します。
サプリメントの起源と発展
古代の文明では、人々が自分たちの周りの自然から様々な植物や動物を利用し、健康の保持や疾病の治療に活用していました。
例えば、古代中国では早くも紀元前から漢方薬の体系が成立し、日本でも和漢方や薬草が広く利用されてきました。
ヨーロッパでは、ハーブやスパイスが中世の医療に大きな役割を果たしたとの見方もできます。
その後、近代科学の進歩とともに、私たちの身体が必要とする栄養素が順次明らかにされました。
これらは、食物からの抽出や化学合成などの手段により、我々の摂取しやすい形で提供されるようになったといえるでしょう。
現代においては、サプリメントはその成分と形状が多種多様化し、個々の消費者のニーズや好みに合わせて選択することが可能になりました。
健康効果をアピールする機能性表示食品のサプリメントや、オーガニックや無添加などのキーワードで市場に打って出るサプリメントなどが存在します。
また、形状も錠剤やカプセルだけではなく、パウダー形や液体、ゼリー状など、様々な選択肢があるのです。
日本におけるサプリメントの位置づけ
サプリメントの法的な位置づけは日本の法律により明確に決められています。
具体的には、「特定保健用食品(トクホ)」、「機能性表示食品」、「一般食品」のいずれかとして扱われます。
それぞれの区別は、その効果・効能とその表示方法によっておこなわれる形です。
特定保健用食品は、その効果・効能が消費者庁によって認められ、製品のパッケージに表示されます。
機能性表示食品は、企業が自らの製品の効果・効能を表示し、その表示について消費者庁への届け出が必要です。
一般食品は、特定の効果・効能を主張しない食品で、その販売には届け出や認可が不要となります。
サプリメントと医薬品の違い
私たちはサプリメントと医薬品の違いを理解し、適切に使用することが必要です。
サプリメントの形状は多様で、錠剤やカプセル形状のものもありますが、それらは医薬品とは異なります。
つまり、サプリメントは法律上「医薬品」とは定義されていません。
実際、サプリメントとは一般的に、「特定成分が濃縮された製品」を指す用語であり、それらは錠剤やカプセル形状であることが多いです。
一方で「医薬品」は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」によって明確に定義されています。
この法律は俗に「薬機法」と呼ばれ、医薬品の範囲を定めています。
したがって、薬機法が定める範囲を超える製品、例えば形状が錠剤やカプセルであるサプリメントは、法的には「医薬品」ではありません。
これは非常に重要な点で、サプリメントは医薬品と異なる法的扱いを受けるため、使用者はそれを理解する必要があります。
さらに法律上、「健康食品」の定義は存在しないため、一般的には健康の維持や向上に寄与するとされる食品全般です。
中には、国が定めた安全性や有効性の基準を満たした「保健機能食品」も含まれます。
これらの製品には特定の保健目的があると表示されます。
特定保健用食品は、体の生理的機能に影響を与える成分を含んでおり、その摂取により特定の保健目的を達成できると表示される形です。
これらの製品を販売するためには、その製品が効果的で安全であることを示す国の審査を受け、許可を得る必要があります。
サプリメントの注意点
サプリメントの選び方と注意点は、以下のようになります。ここでは消費者庁が推奨するサプリメント利用時の確認ポイントにもとづき解説しましょう。
最も大切なのはその製品が「自分自身の体と健康に適したものであるか」という点です。
過剰摂取に気を付ける
サプリメントは錠剤やカプセル状となっています。
この形状の製品は摂取しやすい反面、過剰摂取になりがちです。
一方、味や香り、容積が備わった通常の食品形状の製品は、過剰摂取になりにくいといえます。
形状による摂取量の違いを意識しつつ、適量の摂取を目指しましょう。
広告だけに頼らない
広告のキャッチコピーや利用者の体験談だけを信用せず、自分自身で製品に含まれている成分の安全性と有効性について調べてみましょう。
インターネット上には多くの情報が氾濫していますが、必ずしもその全てが正確で信頼性のあるものとは限りません。
自己判断で情報を選び取るためには、基礎的な知識の取得が必要となります。
情報源を確認する
友人や知人から得た情報も同様に、情報源を追求しましょう。
販売業者の宣伝にすぎない内容であったり、正確な情報でなかったりする可能性もあります。
信頼できる情報源からの情報を得ることで、安心してサプリメントを選び、利用することができます。
品質を確認する
製品の品質を確認するためには、含まれる成分の含有量や製造者、問い合わせ先などが明記されていることを確認しましょう。
この情報が明確に示されていない製品は品質面で問題を抱えている可能性もあります。
明記されている場合も、さまざまな点で注意が必要なことも。
消費者庁や厚生労働省など信頼できる情報源をチェックし、最新の情報を入手しましょう。
原則は単品で利用する
サプリメントは単品で利用することが基本です。
錠剤・カプセル状の製品を複数利用したり、医薬品的な効果を期待して利用したりことは避けましょう。
思わぬ健康被害を受ける可能性があります。
もし併用したい場合は、専門の資格を持つ薬剤師に相談が必要です。
医薬品との併用は避ける
サプリメントと医薬品が相互に作用し、予期せぬ副作用を引き起こす可能性があります。
自己判断での医薬品との併用は避け、不調を感じたら必ず医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。
場合によっては摂取を見送ったり、途中で中止したりすることも選択肢に入れることをお勧めします。
高価な製品ほど効果があるとは限らない
高価な製品ほど効果があるとは限らないということを心に留めておきましょう。
同様の製品を比較して選び、価格と品質のバランスを考慮することが重要です。
もし期待できる効果が出ない場合も専門家に相談することで、トラブルを防げる可能性もあります。
まとめ
サプリメントは、それぞれの目的や体調に合わせて、適切なものを選んで利用することで、より健康的な生活を送る一助となることでしょう。
ただし、サプリメントの選択や摂取量については、医師や栄養士などの専門家に相談することをおすすめします。
サプリメントはそのまま私たちの身体に影響を与えることもあり、安全に、そして効果的に利用するためにも専門家の意見は非常に重要です。
健康を手に入れるための一助として、サプリメントを上手に活用してください。
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執筆者・監修者
株式会社CloudNine
代表取締役 島本 倖伸氏
真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントのRefeelas(リフィーラス)を発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となった「Refeelasサプリメント」、スキンケアの「Refeelasオールインワンジェル」を販売。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。
共同研究者
近畿大学農学部応用生命化学科
准教授 澤邊 昭義氏
1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授を経て、2000年近畿大学准教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。