ブロッコリーは栄養価が高く、健康に良い食材として知られています。
しかし、その美味しさを最大限に引き出すためには、適切な選び方と保存方法が必要です。
この記事では、ブロッコリーの栄養価や美味しいブロッコリーの選び方から保存方法などについて詳しく解説します。
ブロッコリーとは
アブラナ科に属するブロッコリーは、その鮮やかな緑黄色が特徴的な野菜です。
ビタミンAからEまでの幅広いビタミン群を豊富に含むだけでなく、β-カロテンや鉄分といった栄養素もたっぷりと含んでいます。
これらの栄養素は、私たちの健康維持に欠かせない要素であり、ブロッコリーはその点で非常に優れた野菜と言えます。
ブロッコリーは緑色のつぼみ(蕾)の部分が食用として使われることが多いものの、つぼみだけではなく、茎や葉も食べられます。
茎部分の方がつぼみよりも栄養価が高いので茎を捨てずに、丸ごと一本使い切るのがおススメです。
なお、形状が似た野菜としてカリフラワーやロマネスコが知られています。
これらは全てアブラナ科に属する植物で起源は近いです。
ただし品種改良により生まれた別の品種となっており、味や食感もそれぞれ異なっています。
ブロッコリーの旬はいつ?
ブロッコリーは、アメリカを始めとする海外からの輸入が盛んである一方、日本国内でも各地域で収穫時期を調整して栽培されています。
そのため、一年を通じて安定的に市場に出回る野菜となっています。
ブロッコリーは年間を通して楽しめますが、特に旬を迎える初夏と冬の2回がそのピークです。
また冷凍でも手に入りやすい野菜として知られています。
冷凍野菜は季節を問わず安定した価格で購入しやすいことから、食卓の強い味方ともいえるでしょう。
自分で購入したブロッコリーを冷凍し保存することもできます。
ただし1度冷凍したブロッコリーは茹でた後の食感が生の時とは変わることもあり、場合によっては水っぽくなったり、味気なくなったりするかもしれません。
その場合は調理方法を工夫することで、美味しく食べやすくなるでしょう。
ブロッコリーは寒さに強い性質を持ち、逆に暑さには弱いという特性があります。
そのため、11月から3月の冬季に収穫されるブロッコリーは、寒さが甘みを引き立てるため特に美味とされます。
また、冬季に収穫されるブロッコリーは害虫の被害が少ないため、低農薬や無農薬での栽培が可能です。
これは、美味しさと健康への配慮を両立したい消費者にとって、非常に魅力的なポイントです。
ブロッコリーの栄養
ブロッコリーは特に、抗酸化作用を持つビタミンA、C、Eが豊富に含まれており、これらは私たちの体を様々な病気から守る役割を果たしています。
さらに、ブロッコリーには「ファイトケミカル」と呼ばれる成分が約200種類も含まれていて、体内の老廃物や有毒物質を解毒する作用を持つだけでなく、紫外線などから発生する活性酸素を除去する抗酸化作用も持っています。
これらの成分が含まれているため、ブロッコリーは健康維持に非常に役立つ食材と言えるでしょう。
さらにブロッコリーにはNMNも含まれています。
こちらは健康維持や美容への効果が期待できると注目されている成分なのですが、含有量がわずかなため、食事だけで必要量を摂るのは難しいです。
もし摂取したい場合はサプリメントを検討するのが良いでしょう。
ブロッコリーの栄養価を最大限に引き出すためには、調理方法にも工夫が必要です。
例えば、ブロッコリーを茹でるとその栄養素がお湯に流れ出てしまいます。
そのため、蒸し炒めなどの方法を用いると栄養素を逃さずにブロッコリーを楽しむことができます。
また、蒸す方法は茹でるよりも調理時間が短いため、忙しい日でも手軽にブロッコリーを食事に取り入れることができます。
さらにブロッコリーの茎は、つぼみと同様にビタミンCや葉酸、βカロテンが豊富です。
しかし、捨てがちな茎の部分には、つぼみ部分よりもカリウム、カルシウム、糖分が豊富に含まれています。
特に糖分はつぼみの約3倍近く含まれています。
茎は花を咲かせるための栄養分が詰まっており、アメリカではその栄養価の高さと食べやすさから人気があり、茎だけを細切りにした商品も市場に出回るほど。
これらの情報から、ブロッコリーは抗酸化ビタミンとファイトケミカルを豊富に含む健康に良い食材であり、茎も捨てずに全体を活用することで、さらにその栄養価を最大限に引き出すことができます。
ブロッコリーに近い新野菜
ブロッコリーは品種改良が進められている野菜でもあり、ブロッコリーをもとにした新たな野菜も多くあります。
ここでは3つ紹介しましょう。
スイートフラワー
スイートフラワーは、ブロッコリーとカリフラワーが交配されて生まれた野菜です。
同じ交配から生まれたロマネスコとは異なる形状を持ちます。
この野菜の特徴は、微かな甘みがあり加熱することでその色が一層鮮やかになる点です。
ロマネスコ
ロマネスコは、フラクタルという幾何学的な構造を持つつぼみが最大の特徴です。
全体が螺旋形をしているだけでなく、個々の部分も同じ螺旋形をしています。
その特異な形状からかつては「悪魔の野菜」とも称されていました。
ケロッコ
ケロッコは、ケールとブロッコリーを掛け合わせた香川県産の新種野菜です。
ケールは青汁の原料として知られ、栄養価も高いですが少し苦味があるため、苦手な方もいるかもしれません。
しかし、ケロッコはクセがなく食べやすいです。
茹でるだけで甘みが感じられ、茎はシャキッとした食感が楽しめます。
美味しいブロッコリーの選び方
ブロッコリーを選ぶ際のポイントはその色合いです。
鮮やかな緑色が特徴的なブロッコリーは、色が濃いほど新鮮さが保たれています。
逆に黄色っぽくなっているものは、時間が経過して花が開き始めている可能性があります。
冬季には紫がかったブロッコリーを見つけることもあります。
これは、寒さに耐える過程でブロッコリーが抗酸化作用を持つ「アントシアニン」を生成するためです。
この成分は、ブロッコリーの栄養価を上げ甘みを増す効果もあります。
紫色が気になる場合は、湯通しすると元の緑色に戻ります。
また、ブロッコリーの外側の葉っぱが、しおれているものは鮮度が悪いため避けましょう。
つぼみ
ブロッコリーのつぼみ部分は、硬さと密集度で鮮度を判断します。
つぼみがしっかりと閉じていて、密集しているものを選びましょう。
また、つぼみ部分から発するにおいも重要なチェックポイントです。
特異なにおいがするブロッコリーは、保存状態や運送状態が良くない可能性があります。
茎
ブロッコリーの茎は、鮮度が落ちやすい部分です。
そのため、茎がしっかりと残っているものを選ぶことがおすすめです。
また、切り口が新鮮で黒ずんでいないもの、茎に空洞がないものが良いです。
空洞があると肥料の過剰投与などが原因でブロッコリーが急速に成長した結果、ひずみが生じることがあります。
茎が太いブロッコリーは、栄養がしっかりと行き渡り甘みも強いです。
ブロッコリーの保存方法
ブロッコリーの鮮度を保つための保存方法について説明します。
ブロッコリーは黄色く変色しやすい特性があります。
そのため、購入後はできるだけ早く食べることが理想的です。
しかし、すぐに食べられない場合でも、適切な保存方法を用いれば鮮度を保つことが可能です。
ブロッコリーを冷蔵庫で保存する際には、外葉を取り除いた後、キッチンペーパーで軽く湿らせてからビニール袋に入れるかラップで包みます。
そして、茎の部分を下にして冷蔵庫に保存します。
この方法であれば、ブロッコリーを2〜3日鮮度を良好に保てます。
ブロッコリーはエチレンガスを多く排出する野菜で、これが他の野菜や食材の劣化を早める原因となるためブロッコリーを保存する際には、必ずビニール袋に入れるかラップで包み、エチレンガスの影響を受けやすい食材から離して保存することが重要です。
また、すぐに使い切れない場合は、ブロッコリーを小房に分けてから、塩を加えて固めに茹でると良いでしょう。
その後、密閉容器に入れて保存します。
この方法であれば、冷蔵保存で3〜4日間、冷凍保存であれば約1ヶ月間、ブロッコリーを保存することが可能です。
ただし、加熱した後の水分はしっかりと取り除くことが重要です。
以上の方法で、ブロッコリーの鮮度を保ちやすくなります。
ブロッコリーの美味しさを最大限に引き出すためにも、適切な保存方法を心がけましょう。
ブロッコリーの正しい洗い方
ブロッコリーは、その特性上、単に流水で洗うだけでは十分な洗浄ができません。
ブロッコリーの表面は、自然の防御機能として「ブルーム」という成分で覆われています。
これにより、水を弾く性質があるため、流水だけでは汚れが落ちにくいのです。
さらに、見た目以上につぼみの間には微細な虫が潜んでいることもあります。
これらを理解した上で、適切な洗浄法を選びましょう。
ブロッコリーの洗浄は慣れるまで少し手間がかかるかもしれませんが、そのぶん美味しく、安全にブロッコリーを楽しむことができます。
洗浄の準備
まず、ブロッコリー全体が浸かる大きさのボウルに水を張ります。
その中にブロッコリーの軸を持ってつぼみの部分を下にして沈めます。
このとき、ブロッコリーを小房に分けずに1株のまま洗うことが重要です。
小房に分けてしまうと、切り口から水溶性の栄養素が流れ出てしまうからです。
洗浄の手順
ブロッコリーを水に浸けたら、10〜20分程度そのままにします。
その後、水の中でブロッコリーを何度も振るように洗い、汚れを落としキッチンペーパーで水気を拭き取ります。
ボウルがない場合
ブロッコリーが入るほどの大きさのボウルがない場合は、ビニール袋を使うと便利です。
ブロッコリーをビニール袋に入れ、ブロッコリー水を入れて15〜20分程度浸け置きます。
その後、袋を振ってからザーッと洗い流すだけでOKです。
ブロッコリーの豆知識
ブロッコリーにまつわる豆知識を3つ紹介します。
ブロッコリーとカリフラワーの起源
ブロッコリーとカリフラワーの祖先は地中海沿岸の野生のキャベツです。
ブロッコリーは野生のキャベツ品種改良から生まれて、そのブロッコリーが突然変異しカリフラワーが生まれたと考えられています。
ブロッコリーの日本での歴史
ブロッコリーが日本に初めて紹介されたのは明治時代の初期ですが、その当初は観賞用として大切にされていました。
食用として広く認知されるようになったのは1980年代と比較的新しい野菜の一つです。
現在では、北海道や愛知県、埼玉県、香川県などが主な産地となっています。
ブロッコリーの栄養を逃がさない調理法
ブロッコリーの栄養を最大限に活かすためには、茹でるよりも蒸すか炒めることをおすすめします。
茹でると栄養素がお湯に流れ出してしまいますが、蒸すとその損失を最小限に抑えられます。
また、蒸す方が調理時間も短くて済むので忙しい日にも便利です。
まとめ
美味しいブロッコリーの見極め方は、色鮮やかな緑色をしていて、つぼみが密に詰まっているものを選ぶことがポイントです。
また、茎がしっかりとしていて、新鮮な香りがするものが良質なブロッコリーと言えます。
ブロッコリーのおいしさを保つには、適切な保存が有効です。
ブロッコリーは湿らせたキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存すると鮮度を保つことができます。
ブロッコリーは色んな料理に取り入れやすい野菜でもあります。
今回紹介した知識を活用してブロッコリーの料理を楽しんでいただければ幸いです。
#ブロッコリー #ブロッコリーの栄養 #ブロッコリーの選び方
執筆者・監修者
株式会社CloudNine
代表取締役 島本 倖伸氏
真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントのRefeelas(リフィーラス)を発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となった「Refeelasサプリメント」、スキンケアの「Refeelasオールインワンジェル」を販売。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。
共同研究者
近畿大学農学部応用生命化学科
准教授 澤邊 昭義氏
1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授を経て、2000年近畿大学准教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。