アボカドは、血管や神経、骨の健康の維持に欠かせない栄養素です。
また、抗酸化作用を持つビタミンEやむくみ解消に効果的なカリウムなど、女性にうれしい栄養素も豊富に含まれています。
このようにアボカドは栄養面が高いため、積極的に取り入れたい方も多いはずです。
今回は、アボカドの種類や栄養素、適切な保存方法について詳しく解説します。
アボカドの概要
アボカドは栄養価が高くヘルシーな果実で「森のバター」と呼ばれています。
果肉はまったりとした口当たりで甘みはほとんどありません。
現在、日本で購入できるアボカドは、メキシコやニュージーランド、チリから輸入されているものが多いです。
輸入品が多いイメージですが、主に和歌山県や愛媛県など日本国内でもアボカドが栽培されています。
アボカドの歴史
アボカドに関する記録があるのは13世紀頃です。
また、ペルー南部のクスコを中心に繁栄したインカ王の墓からアボカドの種が出土していたため、その時期から栽培されていたといわれています。
16世紀頃に入ると米国に伝わり、ヨーロッパやオーストラリアなどにも普及しています。
日本は100年ほど前に食べられるようになりました。
アボカドの旬はいつ?
アボカドは気温で収穫時期が変化します。
たとえば、低地栽培では春から夏頃、高地栽培では夏から秋頃に収穫されることが多いです。
冬以外はアボカドが収穫されるため、ほぼ通年で供給することができます。
ただし、シーズン初めの頃は水分が多く油分が増えていくといわれています。
そのため、アボカドの旬は夏から秋頃がベストです。
アボカドの栄養素
アボカドは、非常に栄養価の高い果物です。
主に含まれる栄養素には次のようなものがあります。
・銅 0.1mg
・葉酸 45mcg
・食物繊維 3g
・パントテン酸 0.7mg
・カリウム 250mg
・ナイアシン 1mg
・マグネシウム 15mg
・ビタミンC 4mg
・ビタミンE 1mg
・NMN 4~16mg
銅
アボカドは血管や神経、骨の健康の維持に欠かせない銅が豊富に含まれています。
1日の推奨摂取量の10%ですが、アボカドの含有量は0.1mgです。
葉酸
アボカドには、脳が正常に機能するために重要な葉酸が豊富に含まれています。
アボカドの含有量は45mcgで、1日の推奨摂取量の10%相当です。
食物繊維
アボカドには心臓病や肥満、2型糖尿病のリスクを軽減する食物繊維が多く含まれています。
アボカドの含有量は3mcgで、この数値は1日に推奨される摂取量の11%相当です。
パントテン酸
アボカドには、食物がエネルギーへと変換されるのを促進するパントテン酸が含まれています。
アボカドの含有量は0.7mcgで、この数値は1日に推奨される摂取量の14%相当です。
カリウム
アボカドには、血圧の上昇を防ぐカリウムが含まれています。
アボカドの含有量は250mcgで、この数値は1日に推奨される摂取量の6%相当です。
ナイアシン
アボカドには、食物を身体のエネルギーに変換するビタミンB群のナイアシンが含まれています。
アボカドの含有量は1mcgで、この数値は1日に推奨される摂取量の6%相当です。
マグネシウム
アボカドには、筋肉または神経機能を調整してくれるマグネシウムが含まれています。
含有量は1日の推奨摂取量の4%相当に当たる15mcgです。
ビタミンC
アボカドには、健康的な免疫機能に寄与したり全身の組織の成長と修復したりするビタミンC が含まれています。
含有量は1日の推奨摂取量の4%相当に当たる4mcgです。
ビタミンE
アボカドには、身体の組織の損傷を防ぎ、ウイルスや細菌に対抗する免疫システムの強化や維持を促進するビタミンE が含まれています。
含有量は1日の推奨摂取量の6%相当に当たる1mcgです。
NMN
アボカドにはエイジングケア*効果が期待できるNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が4〜16mg程度含まれています。
*年齢に応じた栄養面でのケア
人間の活動に不可欠な細胞のエネルギーを生み出す際に必要なものです。
アボカドだけで1日に必要なNMNを摂取するのは難しいといわれていますので、足りない分はNMNのサプリメントで補うのがおすすめです。
雑誌やSNSで取り上げられている「Refeelas」は、年齢に縛られない美しさを手に入れられるサプリメントです。
高純度99%以上のNMNをはじめ、乳酸菌や生産物質などの大豆発酵物、美容のサポート成分などが含まれています。
アボカドの主な種類
アボカドの種類には、次のようなものが挙げられます。
・ハス
・フェルテ
・ベーコン
・ピンカートン
ハス
日本に輸入されるアボカドのほとんどは、「ハス」と呼ばれる品種になります。
きれいな卵形で、表面はザラザラした手触りが特徴です。
はじめは緑色ですが、熟れていくと黒色に変化します。
脂肪分をたっぷり含んでいるため、コクがあってまったりとした口当たりです。
マヨネーズや醤油など、日本のさまざまな調味料との相性が抜群です。
フェルテ
日本ではあまり見ませんが、フェルテは西洋梨形をしたアボカドです。
果実が熟しても、果皮が黒く変化することはありません。
サイズ感はメキシコから輸入される「ハス」とほぼ同じです。
ただしハスに比べるとフェルテの種が小さいため、可食部は若干多くなる特徴があります。
もともと生産量が少ないため、あまり流通していません。
ベーコン
メキシコから輸入される「ハス」に比べると、一回り大きくなるアボカドです。
日本では11月から1月頃に収穫されています。
アボカドは熟すと黒に変わるイメージがありますが、ベーコンは食べ頃になっても果皮は濃い緑色のままです。
果肉はまろやかで甘味があり食味は優れています。
ピンカートン
西洋梨を細長くしたような形をしたアボカドです。
果皮は少し厚みがあり、表面がザラザラとした手触りをしています。
緑色の果皮は追熟しても黒くならず、濃い緑色のままで色の変化は見られません。
果肉には油分が多く含まれていて濃厚な味わいを楽しめるのが特徴です。
国内での生産量はごくわずかですが、11月下旬から12月頃が収穫期です。
アボカドの見分け方
美味しいアボカドは、果皮の色や質感などで簡単に見分けられます。
食べ頃の美味しいアボカドの見分けるには、次のようなポイントがあります。
・すぐに食べるなら黒色を選ぶ
・数日後に食べるなら深緑色を選ぶ
・果皮に張りとツヤがある
・果皮とヘタの間に隙間がない
すぐに食べるなら黒色を選ぶ
一般的なアボカドは追熟する果物であるため、熟すにつれて果皮が緑色から黒色に変化していくものです。
購入したあとにすぐに食べる予定があるなら、果皮が黒いものを選びましょう。
完熟で食べ頃の状態なので美味しく食べられます。
ただし、アボカドの種類によっては、完熟でも果皮が緑色から黒色に変化しないものもあるので注意しましょう。
数日後に食べるなら深緑色を選ぶ
すぐに食べないけれど数日後に食べる予定があるなら、果皮が深い緑色を選ぶのがおすすめです。
熟されていないアボカドは、通常明るい緑色をしています。
完熟するまで時間がかかるため、数日後は熟していない可能性があります。
そのため、明るい緑色より完熟手前の深緑色のアボカドを選びましょう。
果皮に張りとツヤがある
アボカドを選ぶときは、果皮に張りとツヤがあるものを選びましょう。
完熟したアボカドは果皮が深緑色をしていますが、果皮に張りとツヤがないものは美味しくない場合があります。
また、黒過ぎるものや柔らかすぎるものもおすすめできません。
完熟していますが、実際にアボカドを切ってみると可食部が変色していることがあります。
果皮とヘタの間に隙間がない
美味しいアボカドを選びたいなら、果皮とヘタの間に隙間がないものがおすすめです。
また、ヘタがないアボカドは、ヘタ周辺の果肉が変色している可能性があるので避けたほうがよいかもしれません。
変色していないアボカドを選びたいなら、なるべくヘタつきのものを購入しましょう。
アボカドの適切な保存方法
美味しいアボカドを選んでも保存方法を間違えると、質が落ちる場合があります。
アボカドの保存で注意したいポイントは、以下のとおりです。
・果皮が黒いアボカドは野菜室で保存する
・果皮が緑色のアボカドは常温で追熟する
・半分に切ったアボカドはラップする
・ペースト状にして冷凍保存するのもあり
果皮が黒いアボカドは野菜室で保存する
黒く完熟したアボカドは、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
一度熟したアボカドは日持ちしないため、数日以内に食べるのがおすすめです。
また、スーパーなどでは完熟したアボカドが常温で展示されている場合が多いかもしれません。
しかし、完熟したアボカドを常温で放置するとどんどん柔らかくなり、痛み始めるので注意しましょう。
果皮が緑色のアボカドは常温で追熟する
完熟していない緑色のアボカドは、常温で保存して追熟させるのが大事です。
全体的に黒色に変色するまでアボカドを放置しましょう。
とくに、明るい緑色のアボカドは果肉が固く、なめらかな食感や甘味をまったく感じられない状態です。
完熟するまで長めの追熟が必要なので、ポリ袋に入れたり新聞紙に包んだりして保存しましょう。
半分に切ったアボカドはラップする
半分にカットしたものを保存する場合は、種付きのほうをラップで包んで冷蔵保存しましょう。
アボカドをカットすると断面が酸化して変色してきます。
種付きのほうを残すのは、種が付いた部分は変色しにくいためです。
また、断面にレモン汁を少しかけておくと、多少の変色は抑えられます。
ただし、1〜2日で食べ切りましょう。
ペースト状にして冷凍保存するのもあり
熟したアボカドが多くあるなら、ペースト状にして冷凍するという方法もあります。
変色防止のために果肉をつぶしながらレモン汁をかけ、ラップで小分けして冷凍庫に入れましょう。
塩こしょうやマヨネーズなどで味付けしてディップにしたものを冷凍するのもおすすめです。
冷凍保存しておくと、サラダやサンドイッチで使いたいときに便利です。
アボカドに関するよくある質問
アボカドに関するよくある質問には、次のようなものが挙げられます。
・アボカドを追熟するのに適温はある?
・未熟なアボカドを早く追熟できる?
・ゆっくり追熟させる方法はあるの?
・硬い状態で冷蔵保存するのは大丈夫?
アボカドを追熟するのに適温はある?
明るい緑色のアボカドは、まだ食べられる状態ではなく追熟が必要です。
アボカドの追熟が進むのは、13〜24度程度といわれています。
自宅での保存環境としては20度前後が適温です。
アボカドの状態にもよりますが、2〜5日ほどで果皮が徐々に黒色に変化していきます。
未熟なアボカドを早く追熟できる?
完熟していないアボカドは、保存環境で早く追熟することが可能です。
早く追熟させたいなら適温といわれる20度前後より、やや高めの23〜25度で保存しましょう。
ただし、保存温度が高いからよいというわけではありません。
30度近い場所に長期保存すると果肉が傷んだり、追熟障害が発生したりする場合があります。
ゆっくり追熟させる方法はあるの?
アボカドを食べるまでに時間がある場合、ゆっくり追熟させるのがおすすめです。
ゆっくり追熟させたいなら、少し温度が低めの場所で保存しましょう。
13〜15度程度の環境下で保存すると、時間をかけて追熟していきます。
夏は少し黒く変色してから、冷蔵庫の野菜室に入れておくのも有効です。
硬い状態で冷蔵保存するのは大丈夫?
硬い状態で冷蔵保存するのはやめましょう。
完熟していないアボカドは、冷蔵庫の野菜室で保存すると追熟が進みません。
また、アボカドは5度以下の環境で保存すると低温障害を起こし、最終的に果肉が傷んでしまうことがあります。
冷凍庫で保存したい場合は、少し色が濃いアボカドを選びましょう。
まとめ
アボカドは栄養価が高く、健康的な生活に欠かせない果実です。
種類も豊富であるため、自分好みのアボカドを食べられます。
しかし、完熟していないアボカドは保存方法を間違えると追熟が進まず、果肉が傷んだり追熟障害が発生したりする場合があります。
アボカドの状態に合わせて、適切な方法で保存しましょう。
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執筆者・監修者
株式会社CloudNine
代表取締役 島本 倖伸氏
真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントのRefeelas(リフィーラス)を発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となった「Refeelasサプリメント」、スキンケアの「Refeelasオールインワンジェル」を販売。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。
共同研究者
近畿大学農学部応用生命化学科
准教授 澤邊 昭義氏
1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授を経て、2000年近畿大学准教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。