最近、肌の状態が良くないなと感じることはありませんか?
もしかしたらそれは、腸内環境の悪化が原因かもしれません。
人間の腸内細菌は、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合が理想といわれています。しかし、現代社会では、ストレスや不規則な生活習慣などが原因で、そのバランスが崩れやすくなっているのです。
この記事では、腸内環境を整えたい方へ、おすすめの成分や食品について解説します。今回紹介する食品を日々の食事に積極的に取り入れてみましょう。
腸内環境の改善には腸内細菌のバランスが大事
腸内には、約1,000種類の細菌がいて、主に「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)」の3つに分類できます。そして、この3種類の菌の割合が、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7になるのが理想とされています。
日和見菌というのは、通常は善玉・悪玉にもならない大半の細菌ですが、悪玉菌が増えると悪玉菌の味方をし、善玉菌が増えると善玉菌の味方をします。そのため、悪玉菌が優位になると日和見菌が悪玉菌の味方をしてバランスが崩れ、環境が悪化してしまいます。
腸内環境を整えることが期待できる成分
腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やす成分を積極的に摂取すること重要です。そのため、善玉菌のえさになる「食物繊維」と「オリゴ糖」を合わせて摂ることが良いでしょう。
ここでは、整えやすい2つの成分について解説します。
食物繊維
食物繊維は、水に溶ける「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つに分類されます。そのうち水溶性食物繊維は善玉菌のえさになるため、積極的に摂取したい栄養素です。
一方、不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収し、便の量を増やすことが期待できるため、排泄に大いに役立つ栄養素といえます。
食物繊維が豊富に含まれている食品は、以下が挙げられます。積極的に摂ると良いでしょう。
食物繊維の種類 | 食物繊維を含む食品 |
---|---|
水溶性食物繊維 | 大麦 野菜類(ごぼう、にんじん、玉ねぎなど) 海藻(わかめ、ひじきなど) きのこ類(シイタケ、えのきなど) 果物(キウイフルーツ、バナナなど) |
不溶性食物繊維 | 豆類(大豆・きなこ) 切り干し大根 きのこ類(えのき・しめじなど) いも類(さといも、こんにゃくなど) |
オリゴ糖
オリゴ糖も善玉菌のえさになるため、積極的に摂りたい成分です。
オリゴ糖は砂糖と同じ糖の種類ですが、消化・吸収されてエネルギー源になる消化性のものと、消化酵素では分解されず、腸までそのまま届く難消化性のものがあります。
腸内環境を整えてくれるのは、腸まで届く難消化性のものです。腸に届いたオリゴ糖は、最終的に腸の蠕動運動を促し、整腸をもたすことが期待できます。
オリゴ糖は、以下の食品に多く含まれています。
・野菜類(玉ねぎ、ごぼう)
・果物(バナナ)
・豆類(大豆)
・はちみつ
他にも人工的に作り出されたオリゴ糖を甘味料として販売しているので、砂糖の代わりに使ってみると良いでしょう。
腸内環境を整えることが期待できる食品
腸内環境を整えるためには、善玉菌自体を摂取するか、えさになる食品を摂取するかの2通りが良いといわれています。
ここではそれらを実感しやすい食品と、手軽にできる摂取方法も交えて解説します。
ヨーグルト
ヨーグルトの中には、善玉菌となるビフィズス菌や乳酸菌が含まれています。
積極的に食事に取り入れると、腸内環境を良好な状態に保つことが期待できます。
市販されているヨーグルトは、製品ごとにさまざまな乳酸菌やビフィズス菌が使われているので、自分の体に合うヨーグルトを見つけると良いでしょう。
無糖のヨーグルトに、はちみつやオリゴ糖をかけて食べたり、きな粉を振りかけたりすると、相乗的に働くことが期待できます。
納豆
ヨーグルトだけでなく、発酵食品の仲間である納豆もおすすめです。
納豆菌は、善玉菌の働きを助けて、悪玉菌の働きを抑える効果があり、腸内環境を整えるのに役立つためです。また、原料の大豆には、食物繊維が豊富に含まれています。
乳酸菌が豊富なキムチと一緒に摂ることで、さらにお腹の調子を整えることが期待できます。
海藻類
ヒジキやわかめ、メカブなどの海藻類は、食物繊維を豊富に含んでいます。そのため、積極的に摂取すれば、善玉菌のえさになったり、便の量を増やして排泄しやすくしたりすることが見込めるでしょう。また、海藻類に含まれる水溶性食物繊維は、スーパー善玉菌と呼ばれるほどの酪酸菌のえさになるといわれています。
酪酸菌は食物で摂取することが難しく、海藻類などえさになる食品を積極的に取り入れると、整いやすくなるしょう。
海藻類は、発酵食品である味噌を使って味噌汁の具として食べるなど、他の食材と合わせて摂取するのがおすすめです。
キノコ類
エノキやしめじなどのキノコ類には、不溶性食物繊維が豊富に含まれるものが多く、便の量を増やし、排出しやすくなります。また、カロリーも低いため、ダイエット目的などでも良く使われる食品です。
キノコ類は、炒め物やみそ汁など、さまざまな料理に合う食品のため、積極的に加えてみると良いでしょう。
サプリで腸内環境を整えられる?
サプリメント(サプリ)はあくまで補助的なものです。そのため、腸内環境を整えるためには、食事をメインにして、不足しやすい栄養素をサプリで補う方法が良いでしょう。
日本人の理想の食物繊維摂取量は、成人男性で1日21g以上、成人女性で18g以上です。しかし、現在の日本人は理想の摂取量に達していないと統計が出ているため、サプリを使って補うと良いです。
参考:食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
取り入れるサプリは、ビフィズス菌や乳酸菌などを配合したものが良いでしょう。なかには、オリゴ糖を配合しているものもあり、機能性に優れたサプリもあります。
食事だけでは不足しがちな栄養素はサプリで補ってあげると、より整腸を実感しやすくなるでしょう。
腸内環境が変わる目安期間
食事の改善やサプリなどを摂り始めても、それらの影響が出るまでには2~3ヵ月程が必要になります。
免疫機能が向上し、睡眠の質も良くなりやすくなります。ただし、良い状態に保つためには、継続が大切です。
まとめ
腸内環境を整えるためには、理想的な細菌バランスになるように、善玉菌を増やす成分が含まれている食品を多く摂ると良いでしょう。
細菌バランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7の割合が理想です。しかし、ストレスなどで細菌バランスが崩れると、肌が荒れやすくなるなどの可能性があります。予防として善玉菌を優位に働かせ、細菌バランスを理想の状態にすることがおすすめです。そのため、善玉菌が増えるように食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂ると良いでしょう。
腸内環境が整うと、肌の状態も良くなる可能性があります。整った後で、さらに肌を健康にしたい方はサプリを取り入れてみるのもおすすめです。
#腸内環境 #腸活 #腸内細菌
執筆者・監修者
株式会社CloudNine
代表取締役 島本 倖伸氏
真の健康と美しさを目指す企業として、株式会社CloudNineを創業。NMNの食薬区分の改正に合わせて、同年6月にいち早くNMNサプリメントを発売。累計出荷本数20万本以上と、国内におけるNMNのリーディングカンパニーの一社として、数多くの臨床研究を積極的に行っている。NMNサプリメントにおいて日本初の機能性表示食品となったサプリメントやスキンケアのオールインワンジェルなどの『Refeelasシリーズ』を展開。NMNをブームから文化にしていくために、NMN製品の臨床研究を積み重ねている。
共同研究者
近畿大学農学部応用生命化学科
教授 澤邊 昭義氏
1991年近畿大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了(工学博士)。1991年米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員、1993年近畿大学 農学総合研究所 助手、講師、助教授、准教授を経て、2025年近畿大学教授(農学部)。 専門分野:生物環境学、生命資源化学。研究略歴:様々な植物から有用性物質の探索を行い、食品、化粧品へ応用した実績を持つ。近年は、機能性表示食品へ応用可能な新規関与成分の探索研究も実施中。